都立江戸川vs多摩大聖ヶ丘
無失策&二桁安打!江戸川が夏ベスト16の多摩大聖ヶ丘を下す
本塁打で生還する多摩大聖ヶ丘・行徳
両チーム共に得点圏までランナーを進めるが、ホームが遠い。
そんな歯がゆい均衡を破ったのは、3回表の都立江戸川の攻撃であった。
4番加藤が四球で出塁すると、続く5番岸野、6番鳴海の連打により1点を先制。7番関のスクイズは失敗に終わるも、8番ピッチャー松井の自らを援護する適時三塁打で、さらに1点を挙げた。
続く4回には、先頭打者吉識がヒットで出塁。盗塁と犠打で3塁まで進むと、先ほどの失敗を晴らすかのように、3番下口のスクイズにより1点を挙げる。終盤8回には、1番吉識2番廣瀬が連打で出塁し、3番下口のセカンドゴロの間に1点を挙げる。そして、4番加藤による適時打で、さらに1点を追加。4番の一振りで試合を決定づけた。
対する、多摩大聖ヶ丘は何度も得点圏までランナーを進めるも、都立江戸川の堅守に阻まれてしまった。
得点シーンは4回裏。四球で7番落合が出塁後、二死一塁の場面で、1番行徳が左方向への2ランホームランを放った。あと一本が出れば、という場面が多かっただけに2得点だけで終わってしまったことが非常に悔やまれる試合となった。
都立江戸川先発・松井
今回の試合で注目したいのは、都立江戸川の守備と下位打線である。
この試合、都立江戸川は無失策での勝利となった。4回を投げた松井は2奪三振、5回以降を投げた山田は6奪三振。27個のアウトのうち、残りの19個を野手が無失策で取った計算になる。また、9回中4回で得点圏にランナーを進められながらも、与えた得点は、本塁打による2点のみ。連打による得点を許していないことを見ても、堅守であったと評価できる。
まだ暑さが残る9月上旬という気候であるのにも関わらず、要所で集中力を切らさない精神力が、今日の勝利へと導いてくれたのではないだろうか。
また、打線は、4番加藤を中心とした中軸も力がある打者が揃うが、今日の試合では下位打線の活躍が光った。
この試合で最も重要な回であった3回表。タイムリーを放ったのは下位打線で、8番に座る松井。また、得点には繋がらなかったが、2回、7回にも下位打線からチャンスを作っている。下位打線が機能することで打線が線としてつながった。
試合後、都立江戸川の芝監督も「下位打線が主導となって得点を挙げてくれた。調子の善し悪しをそれぞれでカバーできた試合だった。次の試合以降も、練習してきたことを発揮していくだけです。」とゲームを振り返った。
堅守好打で、多摩大聖ヶ丘を下した都立江戸川。この先の試合が楽しみなチームである。
(文=編集部)