専大松戸vs船橋古和釜
本塁打を打った渡邉大樹(専大松戸)
この夏、決勝戦で敗れ、あと一歩で甲子園を逃した専大松戸。2年生の主力が多く残り、この秋にかける思いは強い。2回まで0対0だったが、3回裏、主砲の渡邉 大樹(2年)が弾丸ライナーでレフトスタンドに飛び込む一打を見せ、一振りで先制に成功する。二死一、三塁から2番高田 拓実(2年)の中前適時打と敵失の間に二者生還し、3対0。さらには7回裏には3番岡本の本塁打が飛び出す。
先発の角谷 幸輝(2年)は120キロ後半の速球、キレのあるスライダー、チェンジアップを武器に船橋古和釜打線を無失点に封じる好投で、8回表からは右腕の清水が2回無失点の好投で、4対0で完封勝利を挙げた。
この日見せたのは、4番の渡邉だろう。夏の大会では2本塁打を放ち、来年を代表する大型遊撃手として期待を持たせる内容を残した。秋は最上級生としてチームを引っ張る立場。3回の本塁打はライナー性で飛び込み、モノが違うと思わせる豪快な一打であった。
夏に比べて打撃フォームを変えていた。変えたのはステップ。夏までは左足を高々と上げて間合いを測るタイミングの取り方であったが、今日の試合ではすり足気味でステップをしながら、タイミングを図るようになった、それにより以前のフォームに比べると、頭が突っ込むことがなくなり、打ち損じも少なくなってきている。いろいろ微調整を重ねながら、自分の理想のフォームを見つけていけばよいだろう。
本塁打を打った岡本良樹(専大松戸)
そして夏よりも進化を見せていたのが守備である。大型ゆえ、やや緩さを感じた守備。だが、今の渡邉はスピードが出てきた。この試合は再三にわたって好守備を披露。中前へ抜けそうな当たりに追いつき、体を1回転させ、スローイング。しかも姿勢が乱れずに見事にコントロールされたスローイングでアウトにした。さらに9回表、二死には球足が速く強く跳ねる打球は渡辺は一気に前進し、動きながら捕球しそのままスローイング。
バウンドに合わせようとするとどうしても止まってしまう。動きながら捕球出来れば一番早いが、とてもミスがしやすい打球なのだが、渡邉はしっかりとバウンドに合わせ、アウトにした。遊撃守備は格段にレベルアップしたといっていいだろう。
渡邉を中心に、2番高田、3番岡本、正捕手で主将の河村 佳祐(2年)、そして投打の柱・原 嵩(2年)と好選手が揃う専大松戸。この5人が、まだ経験が少ない1,2年生を引っ張り、公式戦を重ねながら、力を付けていく構図だろう。
今後の公式戦で、さらに力を付けた姿を見せていくか注目をしていきたい。
(文=河嶋 宗一)