試合レポート

千葉東vs柏陵

2014.07.13

最後までしぶとく!千葉東が延長11回サヨナラ勝ち!

 延長戦となったこの試合。立ち上がりから点の取り合いとなった。

 1回表、柏陵の1番松山 光一(3年)が左横線へ二塁打を放ち、一死三塁となって3番小畑 隼人(2年)の適時打、さらに二死一塁から5番南 侑信(3年)が左中間を破る二塁打を放ち、2点を先制する。

 千葉東もその裏、反撃を開始。
1番長谷川 龍斗(3年)が左前安打を放ち、 2番古屋 晃大(3年)の犠打、3番川原 祐太郎(3年)が四球で4番林 優樹(3年)が右中間を破る適時二塁打で、2対1とすると、5番並木 祐太(3年)の左前適時打ですぐに同点に追いつく。
なおも一死一、三塁から6番森重 直人(3年)のスクイズが投手の野選となり、三塁走者が生還し、勝ち越しに成功。さらに一死一、三塁で、7番三浦の場面で、一塁走者の森重が盗塁を敢行。送球が逸れる間に三塁走者が生還し、4対2と差を広げる。

 だが2回表、柏陵は1番松山の適時打で4対3と1点差に迫ると、3回表には一死満塁のチャンスから、8番庄司 将人(3年)の右犠飛とバッテリーミスで逆転に成功。千葉東としては自らの失策絡みで逆転を許す嫌な流れである。

 4回表、千葉東は流れを変える為に、投手の林がセンターへ、センターの長谷川が登板する。
先発の林から快打を飛ばしていた柏陵打線に対し、長谷川は右サイドからくせ球を武器に、次々と内野ゴロ、内野フライに打たせて取り、ゼロを積み上げる。

 一方、柏陵の先発・庄司も立ち上がりは慌ただしいところはあったが、曲がりの大きいスライダー、カーブを武器に打たせて取る投球で、ゼロを重ね、試合は序盤から一転、中盤は膠着状態に。

 試合が再び動いたのは終盤の7回裏。同点に追いつきたい千葉東は、8番影山 比呂人(3年)が安打で出塁。その後、2つの四球で、二死満塁のチャンスを作り、打者は1回裏に反撃の適時打を放っている4番林。その林は初球を振り抜き、中前安打。三塁走者が生還し、5対5の同点に追いついた。


 試合は9回まで決着がつかず、延長戦へ突入。

 お互いなかなか1本が出なかったが、延長11回裏、千葉東は一死から9番中谷 駿介(2年)の右前安打で出塁、さらに1番長谷川も続き、一死一、二塁のチャンスを作る。
2番は途中出場の杉本 佳祐(2年)。犠打も考えられる場面だが、杉本は犠打をせず、柏陵バッテリーを揺さぶりながら、ボールカウントを重ね、ついに四球を選び、一死満塁の大チャンス。

 柏陵ナインはサヨナラを阻止しようと、内野手は前進守備。外野手もやや浅めに守備位置を取り、バックホームに備える。対する3番川原はなんとしてでも一打を見せたいところ。そして、庄司のストレートに合わせて振り抜いた打球はライトへ。

 定位置のフライだが、還れない距離ではない。この打球で三塁走者の中谷はタッチアップ。ライトの南は助走を付けて、バックホーム。

 結果は中谷の足が僅かに上回り、千葉東がサヨナラ勝ち! 千葉東は延長11回劇的な幕切れで2回戦へと駒を進めた。

 まさに息詰まるような試合展開。
千葉東にとっては守備のミスから点を許す嫌な展開だったが、2番手の長谷川の好投により柏陵ペースにさせず、同点劇を呼び込んだ。そして11回裏、川原の前に四球を選んだ杉本の出塁が見事。
一打出ればサヨナラの場面では少しでも塁を埋めて点を取れる可能性を高めるのが鉄則。満塁としたことで、精神的に余裕が出て、思い切りの良い打撃と走塁が出来たといえるだろう。

 今日の勝利がこのチームにとって記念すべき初の公式戦勝利となった。まだ千葉東の挑戦は始まったばかりだ。今日のような粘り強い戦いを重ね、勝ち続けていきたい。

(文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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