専大松戸vs流通経済大柏
原(専大松戸)
専大松戸・原嵩、成長を感じさせる1失点完投勝利!
専大松戸が安定感のある戦いぶりを見せて、ベスト8入りを果たした。
1回表、流通経済大柏は1番瀬川 翼(3年)が初球を捉えて、右中間を破る三塁打を放ち、バッテリーミスで1点を先制。しかしその裏、専大松戸は稲葉 魁(3年)の三塁打、バッテリーミスで1点と流通経済大柏と同様のケースで同点に追いついた。専大松戸はさらに攻撃を続け、二死満塁から7番薄井 章太郎(3年)の適時打、8番河村 佳祐(3年)の押し出し四球でこのかい3点をあげ逆転に成功した。4回裏にも1点を追加し、4対1とリードを広げる。
専大松戸の先発・原 嵩(2年)は1年に140キロを計測した右腕。だがこの試合はやや控えめで、ストレートの球速は常時135キロ前後(最速137キロ)。しかし両サイドへのコントロールが安定し、120キロ前後のスライダー、110キロ前後のカーブのコントロールもさえ、流通経済大柏打線を打たせて取る。何度か得点圏に走者を置いても、動じずに投げることが出来る精神力の強さがこの投手の強みだ。初回には強い雨が降り、マウンド状況は良くない環境にも屈せずに、また140キロ超えの速球がなくとも試合が作れるというのは昨年から大きな成長だろう。
原は積極的な打撃が光る1番瀬川、粘るのが上手く、バットコントロールの良い2番諸積 怜(3年)、長打力、ミート力を備えた3番井田 一輝(3年)と曲者揃いの流通経済大柏打線を初回の1失点に抑え、完投勝利。ベスト8を決めた。専大松戸は2011年秋から8季連続のベスト8進出。念願の甲子園へ向けて、安定した戦いを見せている。
流通経済大柏の先発・杉浦 彰悟(3年)は真っ向から振り下ろす常時135キロ前後(最速137キロ)の直球、カーブ、スライダーを織り交ぜ、潜在能力の高さを見せたものの、この日は立ち上がりを突かれて、4回途中で4失点で降板。だが2番手の木村 亮太(3年)が左腕から最速130キロのストレート、スライダー、カーブを織り交ぜ、走者を出しながらも無失点に抑える投球を見せていたのは夏へ向けて収穫だったのではないだろうか。
(文=河嶋宗一)