西原vs名護商工
ベンチが生む一体感。主役と脇役がひとつとなった西原が9年振りのベスト16!
とにかく元気だ。
西原のベンチからの大きくて元気あふれる声援は、グランドで戦う友に対して途切れることがない。
「神谷先輩!ナイスです!最高です!」三塁打を放って塁上に立つ神谷岬などは、その余りにも大きな褒め言葉に、どこか照れくさそうに小さくガッツポーズを返すほどだ。投手にしたって暴投したとき(無走者)でも、「全然オッケー!(球が)走ってるよピッチャー!」と常にプラス思考の言葉が注がれるし、一塁と三塁のコーチャーは、どっちが全力で走りどっちが大きな声を出しながらコーチャーズボックスへ向かうかを楽しんで勝負しているようだ。
そんな主役と脇役がひとつとなったチームほど、そう簡単に負けないということを西原は改めて教えてくれた。
三人で5打点!西原自慢の三銃士で、ひと際光る神谷岬の打棒!
三塁打を放つ西原・神谷 岬
初戦の宮古工戦で5安打4打点を挙げた西原が誇る3番神谷岬、4番仲西春風、5番壽雄大の三銃士は、この日も4安打5打点と爆発した。
その中でも特に際立ったのが神谷だ。2回には平良翔の右中間へのタイムリー三塁打のあと、ニ死満塁として神谷が左中間を深々と破る3点タイムリーでチームを波に乗せると、2点を返された後の5回には、先頭打者として打席に立ち、今度はライト線を襲う三塁打でチャンスメーク。
初回に先制タイムリーを放っている仲西は倒れるが、続く壽がしぶとい内野安打で神谷を迎え入れ6-2とリードを広げた(7点目は相手投手による犠打エラー=三塁への悪送球で生還)。大量リードに守られた投手陣は先発の石原が7回途中までで試合を作ると、リリーフした金城能孟(きんじょう・のも)が、最終回に1点を返されるも危なげない試合で快勝。ここ2年は続けて初戦敗退していた西原が、2004年以来となるベスト16へ名乗りを上げた。
敗れた名護商工だが、4番でエースナンバーを背負う外間幸太が3回、ニ死満塁からセンターへ2点タイムリーを放てば、二番手として上がったマウンドでも、終盤の6、7、8回を一人の走者も出さないパーフェクトピッチング。さらに圧巻の四者連続奪三振で味方を鼓舞。それに応えたのがこの日4安打の島袋謙汰。7回と9回には、それぞれ長打でタイムリーを記録。1番に座るその島袋へ繋いだ打線もツーアウトからと、粘り腰を見せてくれた。またヒットの数は西原の9本を上回る10本。全部員数が14名で、声で終始西原に圧倒されてはいたが、逆に静かに、しかし熱く燃やし続けていた彼らの内なる闘志を感じることが出来た試合でもあった。
(文・写真:當山 雅通)
TEAM | 名護商工 | TEAM | 西原 | |
守備位置 | 氏名 | 打順 | 守備位置 | 氏名 |
中堅 | 島袋謙汰 | 1番 | 二塁 | 砂川健太 |
三塁 | 比屋定和斗 | 2番 | 中堅 | 松井比呂 |
一塁 | 玉城優斗 | 3番 | 三塁 | 神谷 岬 |
左翼 | 外間幸太 | 4番 | 捕手 | 仲西春風 |
投手 | 幸地優河 | 5番 | 遊撃 | 壽 雄大 |
二塁 | 上原佑季 | 6番 | 右翼 | 平良大地 |
右翼 | 長濱史弥 | 7番 | 一塁 | 平良 翔 |
捕手 | 志良堂大稀 | 8番 | 左翼 | 宮城 滉 |
遊撃 | 上地大介 | 9番 | 投手 | 石原清雅 |