試合レポート

東京成徳大深谷vs東農大三

2013.09.13

東京成徳大深谷vs東農大三 | 高校野球ドットコム

好投した先発・青木(東京成徳大深谷)

東京成徳大深谷、8回一挙の7得点で勝負を決める!

 9月12日、埼玉県北部地区予選が[stadium]上尾市民球場[/stadium]で行われた。
近年、各校ともレベルが底上げされて実力が拮抗し、どこが勝ってもおかしくない激戦区となっている北部地区。中でも、東京成徳大深谷東農大三という好カードに注目が集まった。勝った方がこの秋の県大会に進出する大事な一戦。緊張感漂う試合は、終盤に意外な展開が待っていた。

 先に試合を動かしたのは東農大三。2番・池田がライト前ヒットで出塁。続く3番・細村がセンターの頭上を越す三塁打を放ち、あっという間に1点を先制。幸先のいいスタートを切る。
 しかしその後は、テンポよく投げ込む東京成徳大深谷先発・青木の前に打線が沈黙。青木は、いずれの回も先頭打者を打ち取る巧みな試合運びで、東農大三に追加点を許さない。

 5回裏、東京成徳大深谷の攻撃。相手エラーでこの回先頭の5番・後藤が出塁すると、6番・永松がすかさずバントで送り、一死二塁。7番・皆川がセンターへはじき返し、ついに同点に追いつく。このまま勢いづくかと思われたが、6回から登板の東農大三2番手・浅見の前に6回、7回と3者凡退。

 互いに投手が好投し、攻め手を欠く中、8回裏、ついに東京成徳大深谷が牙をむく。


東京成徳大深谷vs東農大三 | 高校野球ドットコム 

高橋の本塁打に沸く東京成徳大深谷ベンチ

 先頭打者は先ほど同点に追いつくタイムリーを放った皆川。「この試合のラッキーボーイ」と東京成徳大深谷・泉名監督に評された皆川が二塁打で出塁。勝ち越しのランナーを続く青木が送りバントで三塁に進める。ここで9番・河田はスクイズの構えを見せ、バッテリーを揺さぶり、四球で出塁し、一死一、三塁。
 続く1番・高橋の当たりはグングンと伸び、レフトスタンドへ吸い込まれる3点本塁打。高橋自身初めての、そして新チームとなって2本目の本塁打に勢いづいた東京成徳大深谷は一気呵成の攻撃に出る。

 3連打で1点を追加しなおも一死一、二塁。6番・永松の2塁打でさらに2点を追加し、7対1。勢いに乗る永松は3塁への盗塁を決め、さらに東農大三守備陣にプレッシャーをかける。そしてこの時、打席には、ラッキーボーイ・皆川。放った打球はサードへのゴロだったが一塁まで全力で駆け抜け、相手のミスを誘いセーフに。この間に3塁ランナーの永松がホームに還り、この回7得点目。東京成徳大深谷がコールド勝ちで県大会進出を決めた。

 試合後、東京成徳大深谷の泉名監督は「それにしても青木がよく投げてくれた。ランナーは出しても点は取られない、安心して見ていられる強いピッチャーですね」と、8回を投げ3安打1失点に抑えた先発の青木をねぎらった。
 「このチームは、とにかく一生懸命。明るいし、人に気を使える良い子たち。だから、試合を重ねるごとに強くなっているんです。試合ごとに日々、ヒーローが出てくる。県大会も、その先も楽しみですね。本当に良いチームですよ!」と胸を張り、更なる成長を期待させた。

 一方、まさかのコールド負けとなった東農大三。やはり8回、それまで2安打に抑えてきた守備陣が、緊張の糸が切れたように次々とミスを連発してしまったのが悔やまれる。ただ、新チームは動き出したばかり。これからの課題として、鍛えていくことだろう。

(文=編集部)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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