新居浜東vs川之江
躍進続く新居浜東、夏ベスト4川之江にコールド勝ち！
4回裏一死満塁を右直併殺に防いだ新居浜東4番・日野泰志右翼手（1年）
昨夏愛媛大会ベスト4・準決勝では今や「日本の大黒柱右腕」に成長した済美・安樂智大（2年）を苦しめた川之江と、同大会ベスト8の新居浜東が東予地区予選1回戦で激突。
接戦が予想された一戦は9回を迎えることなく、新居浜東の7回コールド勝ちで試合終了のサイレンが鳴った。
川之江・友近拓也監督は試合後「見ての通りです。力不足です」と自チームを評したが、両者の実力が決して離れていたわけではない。
安樂のストレートにも振りまけなかった1番・昇侑希左翼手（2年）をはじめ、スタメン9名を川之江ボーイズ出身者で固めた川之江は随所に中学時代からの経験を活かしたプレーを見せたし、2番手左腕・橋本幸樹（2年）も終始ボールが暴れる反面、ストレートの勢いは県内トップクラスに間違いなく達している。
よって、この大勝は多分に新居浜東によってもたらされたものだ。「思い切りよく攻めている」と敵将も認めた選手たちの決断力。
打っては3打数2安打3打点。守っては4回裏一死満塁から浅い右飛を前にダッシュし、一塁走者の飛び出しを素早く見付け、併殺を完成させた4番・日野泰志（1年）など、夏の愛媛大会出場メンバーにこだわらず「学年関係なく取り組み重視でやってきた」近藤輝幸監督のモチベーションコントロール。
さらに相手の小さなミスを大きなミスにする盗塁・犠打を絡めた「戦術」。この三位一体によって彼らは躍進を「継続」に変えた。
確かな手ごたえを胸にまずは県大会代表の座を目指す新居浜東。名門・西条との決定戦を制すれば、「継続」は「確たる成長」になることだろう。
（文＝寺下友徳）
