修徳vs東京実
自慢の強打を初回に発揮!修徳がコールド勝ちで3年ぶりの決勝進出!
打線がウリの修徳。彼らを見たのは昨秋のブロック予選まで遡るが、破壊力ある打線が魅力的であった。ここまで勝ち上がりを見るとやはり打線の活躍が光る。6試合で47得点。一試合で8点近く取っているチームである。東京実戦でも自慢の強打を発揮する。
1回表、1番小澤 昌彦(3年)が左前安打で出塁、2番森田 寬之輔(3年)の四球、3番飯野 周太(3年)は投手の野選で無死満塁のチャンスを作る。4番山下 竜治(3年)は遊ゴロで三塁走者が生還し、1対0の先制。さらに5番小林 滉(3年)が左超えの3ラン本塁打を放ち、いきなり4点を先制する。修徳はこれで今大会6本目の本塁打になる。さらに二死から7番根本 将吾(3年)の左横線の二塁打で二死二塁にすると、8番舘 亮平(3年)の右中間を破る三塁打で5対0とする。東京実の先発・鎌田 光(2年)は1回限りで降板。2番手は右サイドの橋爪 康貴(3年)を投入。さらに3回表にも二死三塁から舘が適時打を放ち1点を追加。上位だけではなく、下位打線からでも点が取れるのが修徳の強みだ。
ここまで0行進で進んでいたが、7回表、修徳は一死から5番小林が遊撃内野安打で出塁、小林は盗塁を仕掛け、送球が乱れる間に三塁へ。そして酒井の代打・赤坂 優斗(3年)が犠飛を放ち、1点を追加。ここで投手交代。3番手に野口 翔太(3年)を投入。野口からなおも点を追加し、7番根本は四球、8番舘は左中間を破る二塁打で、中継がもたつく間に根本が生還。二死二塁から9番西林 賢人(3年)が左前適時打で2点を追加し、9対0とする。
その裏、エースの西林が130キロ前後の直球、スライダーを淡々と集める投球で、東京実打線を無失点に抑え、見事にコールド勝ちで2010年以来の決勝進出を果たした。
ノーシードからスタートした修徳。転機となったのは帝京に勝利してからだろう。帝京に勝利したことで、チームに勢いをもたらし、試合中の選手たちのプレーを見るとのびのびと自分のペースで試合に入ることができる。自分たちのペースで野球ができるときは実力を発揮しやすい。修徳ナイン全体が自分たちの能力を発揮することができている。
2010年決勝はサヨナラ負けで逃した。今回の決勝の相手は二松学舎大附。最後の力を振り絞って2004年以来の甲子園出場を果たす。
(文:河嶋宗一)