巻vs新発田中央
巻・佐藤が力投!9年ぶりに準決勝進出
1点差ゲームあり、延長ありとまさに激闘を制し、一試合一試合着実にチーム力を上げてきた巻が、春の準優勝校・新発田中央と対戦。試合は終盤までもつれる好ゲームとなった。
初回、巻のエース・佐藤悠人(3年)は新発田中央打線を12球で三者凡退に抑える上々の立ち上がり。その佐藤を援護したい巻は、新発田中央のエース渡辺圭祐(3年)の立ち上がりを攻め、二番・山保海(2年)から四番・長谷川優太(3年)の3連打でいきなり2点を先制。さらに四回にもヒットと野選、送りバントで得たチャンスを九番・澤野勇生(3年)のタイムリーと二番・山保のスクイズで着実に加点し、4対0にリードを広げる。巻の佐藤は130キロ台中盤の直球を低めに集め、新発田中央の強力打線に的を絞らせない。なんとか反撃したい新発田中央は七回表、ヒットとエラー送りバントでチャンスを作ると、一番・石田蓮(3年)が走者一掃のタイムリースリーベースを放ち、二点差まで追い上げる。なおもチャンスが続くが、ここは佐藤が踏ん張り、追加点を許さない。逆にピンチを凌いだ巻は、八回裏、澤野のタイムリーで貴重な追加点を挙げ5対2。最終回も佐藤が締め、そのまま巻が逃げ切り、決勝に進出した2005年以来9年ぶりに準決勝へ駒を進めた。
エキサイティングチーム 巻
新発田中央のエース・渡辺圭祐はこの試合まで2試合に登板し、13イニングで被安打がわずか2。右横手から繰り出される130キロ前後の直球とタイミングを外すスライダー、そして右打者の内角をズバズバついてくるシュート(シンカー)に対戦校は手こずり、打開策を見いだせないまま敗れていった。そんな絶対的エースに巻打線がどう対処するのかが試合前の大きなポイントだった。初回、巻打線は渡辺圭からに5安打を集中し、2点を奪う。四回までに9安打を浴びせ、4得点。その対策は、内角のボールを半歩引いてセンターからレフト方向に引っ張るというもの。右打者の多い巻打線がこの試合放った安打は10。左打者の笹川隆二(3年)がレフトへ流した安打を除く、9本がセンターから引っ張りの方向へ飛んでいる。この結果をみれば、巻の渡辺圭対策は万全だったといえるだろう。佐藤の力投も光るが、主導権を握った4回までの集中打は見事だった。
(文:編集部)