岩出山vs米谷工
岩出山・今野がノーヒットノーラン達成！
宮城の最注目投手・岩出山の今野龍太がノーヒットノーランを達成した。岩出山の部員数は11人。去年秋の公式戦は人数不足で出場すらできなかった。新入生が6人入部し、チームで試合ができるようになったのはこの春から。今春の地区大会あたりから140キロ超えの伸びとキレのある直球を放る今野の名は広まっていった。春の県大会では初戦で、ベスト4まで進んだ仙台商に敗戦。大崎市岩出山、田舎に突如表れた快速右腕の夏の注目度は高い。
その幕開けがノーヒットノーラン。相手のレベルも考慮しなければならないが、硬球に不慣れな1年生が多くバックを守るチーム事情を見れば、価値ある大快挙だ。
初回、米谷工の1番・行場樹は初球、2球目と連続でストレートに空振り。最後はセンターにフライに打ち取られた。2番・沼倉由知も初球、2球目と空振り。死球で出塁したが、3番・佐々木哲也はスリーバント失敗。4番・島貫尚己は低めの直球を見逃し三振。エンジンがかかった今野は2回を三者連続で空振り三振を奪い、3回の先頭もストレートで空振り三振。5回までに11個の三振を奪った。
米谷工ナインのバットは空を切り、当たっても引っ張ったファウルはゼロですべて振り遅れている。そして、ファウルの多くはバックネットに突き刺さった。中盤は少々、スタミナ不足をにおわせたが、8、9回も2つずつ三振を奪って最後まで力投。16奪三振でノーヒットノーランを成し遂げた。最後の打者から空振り三振を奪っても、汗をぬぐってホッとした表情を見せただけでガッツポーズもなく整列した。ひょっとしたら、快挙に気付いていなかったのかもしれない。
攻撃は、初回、一死から2番・山田裕之が死球で出塁。3番・今野が二直で倒れたが、4番・黒沼祐太がセンターへヒットを放ち、二死一、三塁。ここで5番・山田貴之がレフト前にタイムリーを放って先制した。四死球（8つ）やエラーなど相手に助けられた部分もあったが、小刻みに得点を重ねて4−0で勝利。2008年以来の初戦突破となった。
(文=編集部）
