試合レポート

鹿児島中央vs吹上

2013.07.19

「心の成長」を実感

 「完全な負けパターン」(下野政幸)の試合を鹿児島中央が土壇場9回でひっくり返し、1986年夏以来27年ぶりとなる8強入りを勝ち取った。

投手陣が13四死球、エラーも4つ記録している。序盤をしのいで終盤勝負が下野監督の描くゲームプランだったが、肝心の終盤7、8回にも3点ずつ失点。2回戦でシード尚志館に勝った試合をはじめ、ここまで3試合は終盤まで粘る「勝ちパターン」に持ち込んでの勝利だったが、勝機を見出せないまま、敗色ムード濃厚で迎えた9回裏だった。

 打線が捕えてくれる根拠はあった。
相手のエース川辺大鳳(3年)の球数は8回終了時点で149球。球威が落ちれば、つかまえられるとは思っていた。9回裏、先頭打者が倒れていよいよ黄色信号がともりかけたが、7番・菊川貴智(3年)の左中間二塁打を皮切りに、4番・入田大将(3年)まで1つの四球をはさんで6安打を浴びせ1点差まで詰め寄った。続く5番・古賀光太郎(3年)は表の回の守備から入った選手。初球ヒッティングの打球はショートゴロ。併殺で万事休すと思われたが、一塁転送が悪送球になり、2者生還で劇的な幕切れとなった。

選手たちが「終盤絶対に逆転できる」と「信じる心」を持てたことを下野監督は勝因に挙げる。「心の成長が大きい」と選手の成長を実感していた。

(文=政 純一郎)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.14

【春季東京都大会総括】日大三、二松学舎大附など強豪校がノーシードの波乱! 新基準バットでも9本塁打の帝京が驚異の打力で王者に

2024.05.14

【2024夏全国ノーシード校一覧】二松学舎大附、履正社、智辯学園、沖縄尚学などビッグネームがノーシードで夏に挑む

2024.05.14

広島「今季新戦力の現状通信簿」、新外国人の復活はなるか!?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.09

プロスカウトは190センチ超の大型投手、遊撃手、150キロ超右腕に熱視線!この春、浮上した逸材は?【ドラフト候補リスト・春季大会最新版】

2024.05.09

【熊本】九州学院は城北と文徳の勝者と対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?