高松商vs高松工芸
延長11回までもつれた息詰まる投手戦の行方は!?
1回戦で昨夏の覇者の香川西を破り、勢いに乗る高松工芸と、昨秋の大会で準優勝を果たした高松商業との好カード。
0対0のまま今大会初の延長戦に突入した息詰まる投手戦は、11回表に決勝点を挙げた高松商業が辛くも高松工芸を振り切った。
高松商業は11回表、一死から代打・寒川大智(3年)の中前打で出塁。続く1番・吉川隼人(3年)が犠打を決めて走者を二塁に進めると、2番・片山稔之(2年)が左前適時打を放ち、均衡を突破。その裏の高松工芸の攻撃も落ち着いて3人で討ち取り、3回戦の多度津戦へ駒を進めた。
高松工芸は、高松商業の先発・谷口諒(3年)から奪った安打が1本のみ。三者凡退も10イニングを数え、好投するエース上野哲平(3年)に打線が応えられなかった。
【ピックアップコラム】味方打線を信じて、両エースが最高のピッチングを披露
高松商業の横手投げ右腕・谷口、高松工芸の本格派左腕・上野。2人の好投にスタンドのファンは惜しみなく拍手を送った。
谷口は5回まで1人の走者も許さないパーフェクトピッチング。6回に高松工芸の渡辺仁(3年)に左前打を許すものの、7回以降は再び三者凡退の山を築き、高松工芸打線に二塁を踏ませなかった。
横手投げを生かした角度のあるストレートは、MAX135kmを記録。外角中心の配球で投球を組み立て、抜群の制球力を披露。奪三振数も10を数えた。
今春の大会はケガのために戦線を離脱した谷口。昨秋以来の公式戦の登板に、立ち上がりが不安視されたが、杞憂に終わらせた。
一方、高松工芸の上野も、強打を誇る高松商業に対して打たせて取る丁寧なピッチングを展開。思い切った低めインコースへの配球を効果的に織り交ぜ、高松商業に連打を許さない。ストレートの最速136kmを10回に記録するなど、最後まで球威は落ちなかったが、最後は高松商業の片山にうまく運ばれた。
(文=和田 雅幸)