今治北vs丹原
今治北、第4シード丹原を寄せ付けず!
今大会参加59校中最後の登場となった影響か、第4シード・丹原の立ち上がりは非常に重かった。
初回、1回戦・西条農業に5回コールド11対0と圧勝を収めた今治北打線相手に先発左腕・小笠原嵩(3年)は2安打2四球で3点を献上。
さらに3回には一死三塁から5番・徳井雅希右翼手(2年)にスクイズを決められ、後半立ち上がりの6回にも一死三塁から7番代打の長野崇彌(3年)の右前適時打により計5失点。
一方、打線も今治北の右サイドハンド・富木敦也(3年)の前に9安打を放ちながらホームが遠い展開に。特に0対4で迎えた3回裏二死満塁の好機を逸したのが、後々に尾を引くことになった。
ただ、これは裏を返せば今治北の対策が完璧だったことを意味する。6月9日の練習試合を通じ収集できたデータを詳細に分析し、チームに落とし込んだ青野誠監督以下スタッフ。また、その指示を的確に体現し丹原を寄せ付けなかった選手たちのパフォーマンスは、2年連続ベスト16の結果以上に賞賛されるべきだろう。
エキサイティングプレイヤー 越智康匡(今治北3年・捕手)
富木敦也(3年)の9安打完封に隠れる形になったが、二塁送球2秒を切る県内屈指の強肩捕手はこの日冴えに冴え渡っていた。まずは初回一死一、二塁でフルカウントからの中前適時打。6番・檜垣瑛(3年)の2点適時打につなげる4番の仕事を果たすと、富木の持ち味を活かすリードも完遂。ある打者には外角を見せ球にして内角勝負と思えば、次の打者には一転初球から内角攻めと、全く敵に的を絞らせず、チームのリズムを作っていた。
(文=寺下友徳)