大阪桐蔭vs大手前
昨夏甲子園Vの大阪桐蔭、初戦はコールド発進
昨年の甲子園で春夏連覇を達成した大阪桐蔭。
今春のセンバツでは、3回戦敗退し“不完全燃焼”のまま大舞台での戦いに幕を下ろした。今夏、覇権を再びつかむために、いよいよ初戦を迎えた。
センバツからケガ人の多かったチームなだけに、まずは万全に初戦を乗り切りたいところだったが、試合の2日前にチームの大黒柱の森友哉が練習中に左手小指をスパイクされ、3針縫うアクシデントに見舞われた。
またしても訪れたチームの危機。打撃には影響はないようだが、捕球に影響しかねないと森友はレフトで3番スタメンに起用される。
その森がやはり、チームの中心となってコールドゲームを演出した。
初回、連続安打などでいきなり2点の先制を許したが、その裏に福森大翔の犠飛で1点を返すと、3回には先頭打者だった森がレフトへ痛烈な当たりを放ち、レフトのグラブをかすめて打球が落ちると、森はすかさず三塁を陥れる。この果敢な走塁の勢いが攻撃に乗り移り、打線は逆転。イケイケムードだった大手前の雰囲気を徐々に変えていく。
さらに6回。連続四死球で大手前の投手が川本からエースの岡林に交代。代わりっ鼻に打席に立った森友が右翼に3ランを叩き込み万事休す。
7回コールドでまずは初戦を突破した。
昨年、春夏連覇をしたチームは実は大阪大会の初戦はコールド勝ちできなかった。藤浪晋太郎、澤田圭祐という2本の柱がいても、である。今チームは昨年に比べると投手陣の安定感に欠ける分、打線が援護をしないと連覇は厳しい。今夏は大阪の公立校に好チームが多く、今日のように勢いでぶつかってくる展開に対し、受けて立って臨むと命取りになるだろう。その当たりは選手も十二分に理解しているはずだ。
調子を落としていた森友にも復調に兆しが見え、センバツ以降ケガ人が続出しベストメンバーを組めなかった打線も、今日は久々にベストに近いオーダーで挑めた。この勢いを、落とすことなく最後まで戦い抜けられるのか注目したい。
(文:編集部)