千葉商大付vs県立松戸
千葉商大附・林君
千葉商大付が力の差を示して5回コールド
千葉県の春季県大会一次予選は、昨秋のベスト8を除いて8地区に分かれて行われる。原則として、2~3勝すると県大会進出となる。21校が参加する第3地区は専大松戸が予選免除となっており、その中で5代表の座を争うことになっている。組み合わせの関係上、この試合だけが1回戦となり、3回勝たなくてはならないということだ。
かつて、豪腕・平沼定晴投手(中日)を輩出し、82年春には甲子園にも出場したという実績のある千葉商大附。ただ、近年は他の新勢力などにも押され気味のところもあるというのも現実だ。それでも、選手個々の力はある。この日も、ネット裏には千葉ロッテなどのスカウトも顔を出していた。
その注目は、千葉商大附のエース林君だ。ガッチリとした体格で、多少力ずくという印象も否めないけれども、しっかりと指にかかって投げ込まれると、時としてグイと食い込むようなストレートは目を見張らせるのがあった。言うならば、昭和時代の高校野球の投手のような印象だったが、そういう意味では平沼投手を思い出させてくれたといってもいい。
林君は結果的には、5イニング投げて4番森田君に打たれたセンター前ヒット一本のみで、打者18人に対して与四球1、奪三振7。力の差はあったとはいえ、内容としては悪いものではないだろう。
試合は2回、千葉商大附が1死一、三塁から8番牧野君のライト前ヒットで先制すると、1番に戻って佐藤君のセンター前ヒットに処理ミスもあって、本人もホームインするなどでこの回4点。3回にも1死二塁から5番秋田君が右中間を破り、相手の中継が緩慢なところを突いて一気に本塁まで駆け抜けて、ランニング2ランとなって2点。
4回にも坪井君の犠牲フライで加点すると、5回は打者一巡で、4安打2四球の5点を挙げるというソツのなさを見せた。
ベンチ入り全員で14人の県立松戸は、根本的な力の差はどうしようもなかった。それでも、捕手の森田君は本橋君をよくリードしていた。大量失点しても、腐ることなく向かっていっていたという印象だ。試合後も、全員でみっちりとミーティングをしていた。新入生を迎えての今後のチーム作りに期待したい。
(文=手束仁)