試合レポート

日大三vs聖パウロ学園

2013.04.09

日大三vs聖パウロ学園 | 高校野球ドットコム 

ホームランを打った石田(日大三)

主砲欠きながらも破壊力は維持。日大三が3試合連続コールド勝ち!

昨秋準々決勝で敗れた日大三。それでも選手層の厚さ、打線のレベルの高さは東京都でもトップクラス。ここまでの本大会、成城学園に11対0、青山学院に10対2と圧倒したスコアで勝ち上がってきた。本来、日大三には森 龍馬という主力選手がいる。しかし彼は新チーム後に故障し、秋は欠場。現在は練習に復帰し、打撃はできているというが、まだ無理させていない段階だ。ただ森抜きにしても、破壊力は健在。聖パウロ学園戦も序盤で勢いを掴んでいく。

まず1回表、1番石田 鴻太(3年)がセンターオーバーの二塁打、2番稲見 優樹(2年)のセカンド内野安打で無死一、三塁のチャンスを作ると、3番河津 和也(3年)の場面のパスボールで1点を先制。河津と4番佐々木 優(3年)が四球で歩いて満塁となると、5番渡部 京佑(3年)の犠牲フライで2対0とする。

 

3回には1番石田の本塁打が飛び出し、さらに無死二、三塁のチャンスで4番佐々木がセンター前タイムリーで2点を追加。5番渡部もセンター前ヒットを続き、相手のミスなどで二死満塁となり、9番大場遼太郎(3年)のサードゴロエラーの間に6対0とする。さらに4回表には無死満塁から4番佐々木の2点タイムリーと5番渡部の犠牲フライで9対0に。

4回裏、聖パウロ学園は二死一塁から須田 耕多(3年)がライト線の二塁打。一塁走者は全速力で駆け抜け、ホームイン。1点を返す。聖パウロとしては日大三の勢いをまずは止めたいところだ。しかし日大三の勢いは止まらず6回表には5点を追加し、14対1に。

投げては日大三・エース大場 遼太郎(3年)が好投。167センチの小柄ながら140キロ台の速球を超える本格派で、今年の東京都の右投手では1、2を争う本格派右腕。この試合でも135キロ~140キロ前後を計測していて、ボールの勢い自体は中村 祐太関東一)よりもあった。ストレートを内角へつきながら、速いスライダー、遅いスライダー、カーブを織り交ぜて6回1失点で、コールド勝ち。ベスト8進出を決めた。


日大三vs聖パウロ学園 | 高校野球ドットコム 

先発・大場遼太郎(日大三)

14対1。
ベスト16に勝ち進んだ聖パウロ学園を圧倒した。この試合はどちらかというと単打が多く、本塁打を連発することを期待すると物足りなさを感じてしまうが、ヒットの1つ1つの打球はとても速く、内野手がついていくことができていない。
しかし小倉監督はノーヒットに終わった6番以降の下位打線の奮起に期待していた。
「6番の太田 和輝に当たりがなかったですね。14点取れたことはいいんだけど、全員が安打すると高く評価出来ます」

全員安打が出来る打線ということはビッグイニングを作れる打線ということ。一人だけ打てる選手がいても続く選手がいなければビッグイニングを作ることはできない。また接戦になるほど全員でつなげる打線の力が欲しい。目指す頂は高い。

更に小倉監督はどんなタイプの投手でも打てる打線になってほしいと話す。
「春季大会におけるテーマは特にないです。ただあんだけ練習をしているのだから、どの投手関係なく打てるようになりなさいとは伝えています」

『どの投手でも打てる打力をつける。』シンプルだが、目指す方向性が明確でスッキリとする。目指すは全国制覇。この前のセンバツを見て、自分たちのレベルを比較しながら見ていたという。
「やはりバットを振る力だけならば、ウチは間違いなく負けないと思いますし、全国でも上位に入る自信はありますが、その前に公式戦で勝てなければ意味がありません。全国に出てくる投手はレベルの高い投手が多いですので、そういった投手から打つためには、良い投手が集まる関東大会を狙って行きたいですね」

2年ぶりの関東大会出場を狙う日大三。次の相手は都立狛江早稲田実業の勝者との対戦。もし早稲田実業との対戦が実現すれば、東京都の高校野球ファンが一番盛り上がる黄金カードだけに注目が集まる。対策についてはこれから行うということだが、一冬の成果を試すには絶好の相手だということは間違いないだろう。

(文=河嶋宗一)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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