鹿児島情報vs鹿屋工
二木康太(鹿児島情報)
「自分たちの野球」楽しめた・鹿児島情報
投げてはエース二木康太(3年)が散発4安打83球で完封、守備は今大会初めての無失策、打線は10安打7得点でコールド勝ち…鹿児島情報はここへきてようやく本来の持ち味である「守備からリズムを作る野球」(下之薗誠也主将)をやり切って鹿屋工にコールド勝ちし、2季連続の九州大会を勝ち取った。
二木はボールの力強さに加えて、投球術に磨きがかかった。特にピンチでない場面では7、8割の力で楽に投げている印象がある。タイミングが合って長打されるときもあるが、ピンチの場面や要注意打者を迎えると、ギアが1段上がり、直球も、得意のフォークもキレが増す。「エンジン」が温まらない序盤は、3ボールになることもあるが「直球でストライクが取れる自信がありますから」と意に介さない。勝負を焦らず、打者の狙い球を見極めながら、的確に打ち取っていく。3回までは17、13、16とやや多かった球数も、11、8、9、9と回を追うごとに少なくなり、強打の鹿屋工打線につけ入るスキを与えなかった。「今大会で一番楽しめました」と自信をのぞかせていた。
昨秋は「得点力」が課題だった打線も、4回戦から3戦連続コールド勝ちと徐々に調子を上げている。準々決勝までは調子の上がらなかった3番・下之薗主将も、この日は3安打と気を吐いた。「守備からリズムが作れたことで、気持ち良く打席に立てました」と言う。4番・山崎裕貴(3年)は3安打3打点、5番・稲葉龍征(3年)は1安打1打点と中軸がしっかり仕事をした。
(文=政 純一郎)