明大明治vs城北
力投する佐藤(明大明治)
2年生バッテリーの活躍で、都大会出場を決める
昨年、都立城東に敗れブロック予選に回った明大明治。その時と比べると一冬超えて攻守に安定感が増したと感じられる試合内容であった。初回に1死満塁から5番奥野の押し出し四球で先制すると、2回には4番山下の2点適時打で3点を先行する。
明大明治の先発は背番号18をつけた佐藤が先発。都立城東戦でも先発をした左腕である。小柄だが、重心を沈み込んで、鋭く腕を振るフォームから投じる速球は120キロ台ぐらいだが、一冬超えてボールの勢いが増してきた。そして変化球もなかなか良い。スライダー、カーブ、スクリューをコーナーへ散らせる配球。追い込んでいってから高めへ決まるストレート、あるいは外角ギリギリに決まるスクリューのコンビネーションで奪三振を量産していく。
佐藤をリードする三沢は2.0秒台を計測する強肩捕手。スローイングも良いのだが、ミットを高く響かせるキャッチングも良い。そして5回表にはレフトへの本塁打で佐藤を援護。その後も明大明治は着々と点を積み重ねていく。
佐藤は8回まで被安打2本1失点の好投でゲームメイク。9回は左腕の中山、サードの山下と繋いでゲームセット。明大明治が都大会進出を果たした。
背番号18の佐藤の成長を実感した試合。速球の切れ、変化球の切れともに昨秋よりも成長が感じられ、試合が作れる投手となっている。まだエースピッチャーは投げなかったが、佐藤の成長により明大明治の投手陣の層が厚くなりつつある。打線では塁間4秒10秒前後で駆け抜けるトップバッター和内、この試合3打点を記録し、勝負強い打撃を見せた山下と。野手も一冬超えてきて逞しさが出てきた。本大会でも総合力で勝負し、上位を狙いたい。
城北は2回途中から登板した二番手の有坂が持ち直したが、エース松本の早期降板が最後まで響いた形となった。
(文=河嶋宗一)