常葉橘 vs 静岡南・静岡市商
高橋遥人(常葉学園橘)
常葉学園橘、静岡市内大会を制す
10月27日から[stadium]清水庵原球場[/stadium]、[stadium]西ヶ谷球場[/stadium]を会場に静岡市内大会が行われ、11日の今日、常葉学園橘が2006年以来の優勝を飾った。今年は、来年の学校統廃合に向けて2チームが合同チームとして出場。そのうちの静岡南・静岡市商の合同チーム(来春から駿河総合)は決勝まで駒を進めるなど、来年に向けて楽しみが増える大会となった。
優勝を果たした常葉学園橘は今夏甲子園に出場し、そのメンバーが多く残っている。中学時代は常葉学園橘中として全国制覇したメンバーも2年となった。
この日の決勝で先発マウンドに上がったのは、エース左腕・高橋遥人(2年)。この大会では初めての先発となったが4回までをテンポ良くパーフェクトに抑え込み、5回・6回は走者を出したものの、後続を断ち、6回無失点でマウンドを降りた。
高橋が静岡ナンバーワン左腕と呼ばれる所以はその柔らかく美しいフォームにある。腕が少し遅れてくるように出て、リリースの後は体に巻きついてくる。キレのいいストレートは130キロ後半を記録するが、カーブとの緩急もあり、表示以上の速さを感じさせる。
甲子園でもリリーフとしてマウンドにたち、そのフォームは工藤公康氏にも誉められたほど。
ただ、181センチ65キロという数字からわかるように、高橋はとにかく華奢だ。中学時代、高校1年の時に比べれば、少しずつはしっかりしてきたものの、まだまだ細さが目立つ。それものびしろと考えて、来春を楽しみにしたい。
佐々木貴士(常葉学園橘)
好投する高橋を援護した打線の中では佐々木貴士(2年)が目立った。
今夏は6番ファーストとしてレギュラーを張ったが、この大会では2回戦から1番ファーストとして出場した。初戦では特大のアーチを放った佐々木は180センチ86キロのガッチリ体型。どっしりとした下半身からスイングが鋭く、緩いボールを呼び込んで外野の頭を超える打球を放ったかと思えば、直球をコンパクトにセンター前に弾き返す。
夏に1番を打った1年生・木村聡司も初球から積極的に振る攻撃型1番打者としてブレイクしたが、佐々木はそれを上回る「超攻撃型」。足は速いとはいえないが、どんどん走る積極性もあり、三振の少なさは1番に向いているともいえる。今後、何番を打つのか興味深い。
常葉学園橘は、甲子園を経験したメンバーが残ったことから、今秋は県大会でも本命と見られていたが、初戦で飛龍に敗れた。敗因はエラーからの失点で、そのミスの多さはこの大会でもところどころに現れた。積極性からのミスもあるが、凡ミスも目立つ。中学時代から同じメンバーでチームを組んでいるだけに、もう少しチームとしての練度・精度はあげてきてほしいところ。高橋のピッチングもまた多くの人に見てほしい。
(文=静岡高校野球編集部)