実践学園vs桜美林
同点のまま終盤に均衡を破ったのは
桜美林と実践学園は、2009年春季大会、2011年春季大会と対戦しており1勝1敗。実力が拮抗していて、どちらが勝ってもおかしくない試合展開が予想された。
実践学園は前の試合と打順が変更されており、1番から4番までが全員2年生だった。
先発は実践学園は海老澤タイヤブアリ(1年)、桜美林は吉藤翔太郎(2年)で始まる。
ゲームが動いたのは2回表。実践学園は一死から5番下村幸一(3年)が内野安打で出塁し、返球にもたついている間に二塁へ進塁。続く堀江祐介(3年)が右中間を破る二塁打で下村が生還し1点を先取した。
追う桜美林は3回、1点を取るために動いた。一死からピッチャー吉藤の代打として出場した三浦皓大(3年)がヒット。点を取りに行くため、代走に河合大宗(2年)を出す。その後2番大平達樹(2年)がヒットを打つが、そこで終わってしまい点につながらず。
一方の実践学園は、5回の攻撃に先頭の9番海老澤が死球で出塁。送りバントで二塁に行き、2番今泉諒也(2年)のヒットで3塁へ、次の千葉昂(2年)のヒットでうまく1点追加したのである。
6回にも先頭の5番下村幸一(3年)がセンター前にヒット、送りバントで二塁に行き、8番久保雄司(3年)のヒットでまた1点追加し、3対0となった。
しかし7回表に、1死満塁のピンチをホーム併殺で凌いだ桜美林に流れが傾き始める。
その裏、先頭の6番曽根裕太郎(3年)が左中間へのヒットで出塁。続く石井誠信(3年)は三遊間を抜くヒットで一、二塁。
送りバントなどで二死二、三塁と場面が変わり、1番内藤大輝(3年)がセンター前へのタイムリーさらに2番大平もレフト前運び2点を取ったのである。
さらにまだ2死満塁。ここで実践学園は前の試合でもうまくおさえた藤本将斗(3年)が登板。だが、4番高橋を死球で歩かせてしまい、押し出しで3対3の同点になった。
一打逆転の場面はまだ続いていたが、この後はショートゴロに打ってとり、同点のまま終了した。
8回は両チームともチャンスをつぶし、試合は9回へ。1点でも追加したチームが勝利を手中にできる可能性が高くなる。
9回表の実践学園の攻撃、先頭の千葉が四球を選び出塁。一死後、今日あたっている堀江がヒットで一,二塁に。
ここで打席に立った信太が二塁打を放ち、千葉が生還。勝ち越し点は実践学園に入った。
さらに一死二、三塁から久保もヒットで続いてもう1点を追加。
2点のリードをもらった藤本がその裏を3人で締めて接戦をものにした。
両チームとも四死球の数やエラーは出すが致命的なものではなく、ヒット16本の実践学園が11本の桜美林に打ち勝った試合だった。
7回に3点取って同点に追いついた桜美林より、追いつかれて同点になったが、再度引き離す気持ちが強かった実践学園の気持ちが競り勝った試合だったのかもしれない。
(文=編集部)