春日部共栄vs狭山ヶ丘
投打に活躍した西澤投手(春日部共栄)
一方の狭山ヶ丘は5回、この回先頭の石川がヒットで出塁すると、すかさず盗塁を決め無死2塁とチャンスを作った。しかしその後も1死1,3塁と西澤を攻め立てるが後続が凡退し、結局この回は無得点に終わる。
7回には1死から5番・石川がヒットで出塁し、続く多賀との所でエンドランを決めチャンスを広げる。さらに7番・松本も四球を選び1死満塁と絶好のチャンスを作る。だが、続く武藤の打球はピッチャーゴロで併殺となり万事休す。西澤、青木と万全のリレーをみせた共栄が4対0で勝利しベスト8へ駒を進めた。
紺野投手(狭山ヶ丘)
狭山ヶ丘は山田監督は、「1点ずつ取るのが強いチームとの戦い方だがそれができなかった。今は速い球を打つ練習をしていないので対応が遅かった。そしてフライのアウトが多かった」と、昨夏のリベンジと意気込んでいたが徹底できなかったことを悔やんだ。私学4強を倒さないと甲子園へは行けないと山田監督も痛感しているだけに、今年の夏までに1点づつ点を取る野球の完成度を上げたい所だ。
一方の春日部共栄だが、この日打っては2安打1打点、投げても8回無失点と県大会初先発ながら西澤の投打に渡る活躍が目立った。
だが、西澤本人と本多監督はこの日の出来には納得していなかった。両者共に課題として挙げたのが、走者を背負ってからのピッチングである。特に4点のリードがありながらスコアリングポジションにランナーをおくと、四球を出し走者を溜めてしまうケースが何度かみられた。ここは次の登板までに修正したい。
また、チームはこの冬に新たな取り組みを始めた。
「うちはベスト8以降に打てなくなる。それは何かって模索した結果、スタミナがないんじゃないかと思って」と本多監督は、あまりご飯を食べない現代っ子に対し、冬場の練習中にご飯タイムを作ったり、選手の好きなタイミングでご飯を食べさせたりと、とにかくご飯を与えた。
その成果は出てきており、選手達は一冬を越え体が一回り大きくなっている。この日活躍した西澤も例外ではなく、68kgから74kgと大きくなったという。これがこの春にすぐ成果となって現れるかは別として、今後も夏まで同様に食べ続けるという。
そのご飯パワーでスタミナをつけ夏を乗り切れるか、共栄の夏の大会でベスト8以降どんな戦い方をするのかに注目したい。
(文=南 英博)