桐蔭学園vs鎌倉学園
５打数５安打と大活躍の佐藤（桐蔭学園）
桐蔭学園、３番・４番が８安打５打点の爆発
「3番、4番があれだけ打ってくれると得点が入るよね」
試合後に桐蔭学園・土屋恵三郎監督が語ったように、打つべき人がしっかりと結果を残した。
この試合、もっとも目立っていたのが桐蔭学園の3番センター・佐藤将だ。試合前のシートノックから強肩を披露し、スタンドを沸かせていた選手が、試合でも光り輝いた。
1回の第1打席。インコース寄りの直球をコンパクトに振り抜くと、ライトスタンドへホームラン。これが高校通算6本目のホームランとなった。
さらに、2打席目以降にもセンター中心に3本のヒットを放つと、5打席目には2ボール1ストライクからのカーブをうまくためて、三遊間に流し打った。ここまでの4本はすべてストレートだっただけに、意味のある1本だった。試合後の本人も、「5打席目が一番うまく打てた」と笑顔を浮かべていた。
佐藤はこれまで1番を打つことが多かったが、「じっくり見て、狙い球を一発で仕留めるタイプ。3番のほうが向いている」という土屋監督の考えで3番にかわった。
出身は静岡裾野シニア。ＯＢには、石川雄洋（横浜高校～横浜ＤｅＮＡ）、鈴木大地（桐蔭学園～東洋大～千葉ロッテ）、田畑秀也（桐蔭学園～ＪＸ－ＥＮＥＯＳ）ら、右投げ左打ちの好打者タイプが多い。
「先輩が活躍していた桐蔭でやりたかった」と、桐蔭学園に進んだ。目標とするのは、先輩の田畑だ。スピード、パワーともに兼ね備えたバッターを目指す。
代打・永田ホームラン（桐蔭学園）
佐藤のあとを打つ4番・小河諒も、5打数3安打4打点と活躍。がっちりとした体型が際立つパワーヒッターだが、5打席ともにセンターから右への当たり。5打席目はライトフライに終わったが、初球のカーブを引き付け逆方向へ飛ばした。
投手陣は、「今日、齊藤（大将＝エース）を投げさせるつもりはなかった。ほかのピッチャーに経験をつませたかったんです」と土屋監督が明かしたとおり、4人の継投でつないだ。辻中知樹、瀬古拓央が左オーバー、堤が右スリークォーター、石井丈太郎が右オーバーと、バラエティーに富む。齊藤が左のために、「右が出てきてほしい。夏には必ず必要になる」と土屋監督。堤は打ち込まれたが、石井が打者７人に四球１つと結果を残した。
一方敗れた鎌倉学園は、6回に3安打で3点を奪うも、ひっくり返すまでにはいたらず。風を計算にいれておけば防げばヒットもあり悔やまれるところ。オールドファンが多い伝統校で、サザンオールスターズの桑田佳祐の母校としても知られる。投打ともにもう一度鍛え直して、夏に臨みたい。
(文・写真＝大利 実)
