九州学院vs創成館
九州学院エース大塚尚仁
創成館の前にまたも九州学院の厚い壁
秋、準決勝で戦った両チームが再び戦うこととなった2回戦。
4強に進出しながらもこの九州学院に0−9(7回コールド)と敗戦が響き、創成館は、まさかのセンバツ落選。
何としてもそのリベンジを果たしたい創成館だったが、またもタレントが揃う九州学院の厚い壁に弾き返された。
どんよりとした雲が空を覆い、試合開始直後からパラパラと小雨が降り始めたなかで始まったこの試合。
創成館•先発の大野拓麻は、2回、1死から7番浅川椋を歩かせると、8番高山凌輔、9番大塚尚仁に連続死球を与え、1番溝脇隼人に右前に弾き返され先制される。
この回、突如として制球を乱し、被安打は1ながら2点を失った。
スタンドからは、雨の影響もあったように見えた。
だが、大野拓麻は「雨は関係ない。インコースに打者が寄っていたので、そこを突きたかったが、気持ちが逃げてしまった」と連続四死球でピンチを広げての失点に、口唇をかんだ。
4回には再び、溝脇隼人に強烈な1発を浴びる。
1ストライク3ボールからライトスタンドへ運ばれると、結局、大野拓麻はこの回で降板。
後を受けた児玉亮太が、粘りの投球をみせる。7安打を浴びながらも強打の九州学院打線に追加点を許さずチームの反撃を待った。
だが、打線は九州学院エース大塚尚仁の緩急を巧みに使った投球にかわされ、わずか4安打で零封。
試合序盤の3失点が大きく響き、秋に続き九州学院に敗れた。
試合後、大野拓麻は報道陣にかこまれると、硬い表情のまま「全然、成長できてない。秋、やられていたので気持ちだけは負けないと思っていたが…」と絞り出すのがやっとだった。
それでも、創成館•稙田監督は、「ナイスゲームだった。大野は調子が上がらないなか、ある程度の失点は覚悟していた。投手を含め良く守った」と13安打を浴びながらも大野琢麻、児玉亮太両投手と守備陣で3失点に抑えた守りを評価した。「全国区の力を持つ九州学院と接戦をしたことで自信になったくれるはず。夏が楽しみ」と、敗戦にも夏に向けて手応えを語った。
リベンジの舞台は夏の甲子園だ。
(文=藤吉 ミチオ)