観音寺中央vs高松工芸
4打数3安打6打点の観音寺中央3番・濵田御久斗(一塁手・2年)
観音寺中央、投打に磐石で初戦突破!
今回、阪神大震災の被災地である洲本(兵庫)が21世紀枠で出場したことにより、再びクローズアップされる形になった95年の第67回センバツ。この大会で初出場・初優勝の快挙を成し遂げたのは香川県・観音寺中央であった。そしてあれから17年が経った2012年。純白のユニフォームは[stadium]レクザムスタジアム[/stadium]を駆け回っていた。
戦前は接戦予想もあったこの試合、観音寺中央の入りは素晴らしいものだった。1回表は1死から2番・山本英和(遊撃手・3年)の三塁打と3番・濵田御久斗(一塁手・2年)の適時打で先制すると、2回には犠打・犠飛が相手野選、失策につながり計5得点。3回には四球、犠打に適時打が絡む理想的な展開で4得点。「全体的に高めを叩けた」(土井裕介監督)彼らの積極的な姿勢は高松工芸のネガティブな要素を増幅させるに十分な脅威となっていた。
極めつけは5回、濵田御久斗のこの日6打点目となる満塁走者一掃三塁打で4得点。
エース右腕・藤本悠馬(3年)も普段辛口な指揮官が「落ち着いて間合いを取れた」と評価する安定感を発揮し、観音寺中央はシード校らしい磐石の初戦突破を果たしたのであった。
そしてセンバツ当時の主将であり、社会人野球・三菱重工岡崎を経て06年4月から母校の指揮を執っている土井監督は試合を振り返った後、ポツリとつぶやいた。
「そろそろ、行かなくちゃいけませんね」
そうなのだ。観音寺中央は17年前に春夏連続甲子園出場以来、夏は2度県大会決勝に進出するなど県内屈指の強豪校でありながら、あと一歩のところで甲子園に手が届いていない。今年の夏こそ、再び全力疾走でアルプススタンドを沸かせるために。そのためにも「勝つこと」にこだわる春の試合内容は、結果と共に重要になってくる。
(文=寺下友徳)