関西vs明豊
不運の籤運転じて上昇のきっかけへ
やはり呪縛を解けたのか。
中国地区をリードする強豪・関西。
毎年レベルの高い選手を擁しながらも籤運に恵まれなかった。
毎年、強豪校と当たるのだ。
近年でいえば2010年の春は興南、2011年の春は東海大相模。
注目度の高いゲームながら関西は敗れ、関西に勝った二校は選抜優勝校となった。
そして今夏は選抜準優勝の九州国際大付属と当たった。
また籤運に恵まれない関西。
今年も惜敗かという周囲の声が囁かれた。
だがこう思うのだ。関西が全国優勝あるいは上位を目指す上で一つの試練だと。
その試練を破ることで、上昇させるきっかけになるのではないか捉えていた。その初戦。
関西は延長の末、九州国際大付属を破った。
一つの試練を超えて勝ち上がっていける予感がするのではないかだろうか。
それを確かなモノとするために3回戦・明豊(大分)と臨んだ。
2回の裏、関西はチャンスを掴む。堅田のヒットで出塁すると、関泰が犠打。しかし悪送球により無死1,2塁のチャンス。明豊の高田はリズムに乗り切れず、水原を死球で無死満塁のチャンスを作る。関貴の犠牲フライで1点を先制する。
高尾は制球を乱し、福井に四球を出して一死満塁。ここで投手交代。二番手に右腕の岡本 健一郎を投入する。
しかし岡本もこの流れを止めることができず、押し出し。次の打者も押し出し四球。3番佐藤の犠牲フライで1点を追加。
なんとノーヒットで関西は4点を先制する。
さらに4回の裏、一死から小倉のセンター前ヒットで出塁。2番妹島のセンター超えの三塁打で1点を追加。再び佐藤の犠牲フライで1点を追加し、6対0と突き放す。5回の裏にも1点を追加。6回の表に1点を返されたが、エース水原 浩登が粘り強い投球。
9回の表、満塁まで追い上げられたが、粘り強い投球で凌ぎゲームセット。24年ぶりのベスト8進出を果たした。
関西が序盤に試合の主導権を握り、優位に試合を進めていったが、終盤以降は何度も満塁のピンチを迎えるなど苦しい戦いであった。
これで24年ぶりのベスト8。
いずれも実力校に勝利してのベスト8だ。選手たちにとっては大きな自信になっていることは間違いない。
籤運に恵まれなかった関西が上昇のきっかけを掴んでいる。
(文=河嶋宗一)