中越vs関根学園
そつのない攻撃で中越がベスト4進出
ここまで、逆転、サヨナラと脅威の粘りを見せてきた中越。一方、圧倒的破壊力の打線で勝利を積み重ね、10年ぶりの4強を狙う関根学園。両エースの粘り強い投球が光る好ゲームとなった。
序盤、関根学園・馬場、中越・小林が力投を見せ、3回まで得点を許さない。試合が動いたのは4回表、この回先頭の3番・神田が右中間へ打球を運ぶと、打球を捕りに行ったセンターとライトが交錯。さらに中継プレーも乱れ、その間にバッターランナーが一気にホームイン。ランニングホームランで中越が1点を先制する。
これで動揺したのか、このあと馬場は、ヒットと四死球で1死満塁のピンチを迎える。8番・小林を迎えた際、何とワイルドピッチで1点を献上。さらに小林のスクイズでもう1点追加。中越はこの回2安打で3点を挙げる。反撃したい関根学園はその裏、突如制球が乱れた小林から3つの四球を選ぶと9番・馬場のタイムリーで1点を返す。5回に神田のタイムリーで1点を追加されるが、その裏、4番・斉藤のタイムリーで簡単に引き離されない。
4対2で迎えた7回表。中越は1死2塁のチャンスを迎える。バッターは当たっている3番・神田。ここで関根学園は敬遠を選択。4番・牛木との対決を選択する。その初球、牛木の放った打球は右中間を深々と破り、1点を追加。8回、9回にも1点ずつ挙げ、投げてはエース小林が161球の粘投で最後まで投げ抜き、7対3で中越が勝利した。
【エキサイティングプレイヤー】
春の北信越大会で見ていたこともあって、中越の選手に成長を感じた。特に3番・神田。バッティングはもともと光るものを持っていたが、捕手としての所作、配球など細かなところにまで目がいくようになったと評価できる。また4番に座った牛木も勝負を決める4番らしい仕事をした。それまでの3打席も決して当たりは悪くなかっただけに、試合中に修正できる対応力は見事だった。
エース・小林は、突如制球を乱すイニングこそあったものの持ち味の粘りの投球が光っていた。打者を幻惑するスローカーブも数球投げ、打者の目先を変えるなどの投球術がすばらしい。
また打者としても1つのバント(スクイズ)を決め、8回の打席では送りバントが内野安打になるなど、つなぎの意識がすばらしい。同様に2番・山村もこの試合で3つ送りバントを決めるなど、チームプレーの質が非常に高い。
敗れた関根学園は、エースの馬場。テイクバックを引いたときに“ため”を作る独特のフォームで序盤、中越打線を苦しめたのは見事。ストレートのキレもよく、もう少し見たかった選手だ。野手では、3番の磯谷。雰囲気があり、右にも左にも打てる広角打法と、次の塁を積極果敢に狙う姿勢がすばらしい。
また、1年生ながらマウンドを経験し、打っては5番を任された佐藤も野球センスを感じる選手。来年以降が楽しみだ。
(文=編集部)