岡山学芸館vs鳥取西
海野(岡山学芸館)
均衡を破った機動力
均衡が破れない-。
両チームのベンチでそんなことが脳裏をよぎったとき、やはり動いたのはグラウンド整備後だった。
6回2死一、三塁の場面で岡山学芸館・山崎慶一監督は仕掛けた。
一塁走者・川本光平が二塁にスチールを試みると、すかさず三塁走者・青木亮も本塁へと走った。それに慌てた鳥取西の内野陣が、本塁へ悪送球を投げ、その間に青木がホームイン。サインはかかっているとはいえ、素晴らしい三塁走者・青木の状況判断で、いわゆるダブルスチールを成立させた。
「二人とも足があったので思い切ってやりました」(山崎監督)
それに勢いついた岡山学芸館は、点を積み重ね、6回以降だけで5点を奪い、試合の主導権を握り、快勝で準決勝にコマを進めた。
しかしながら「序盤は、(打線の)繋がりがよくなかったですけど、その分、海野(淳司)がよく踏ん張りましたね」と山崎監督がいうように序盤に制球力のいい海野がゲームメイクしたことも勝利の大きな要因だった。
最後に山崎監督は「決勝の舞台ということを経験する意味でも明日は全力を尽くします」と手綱を引き締めた。
(文=アストロ)