川越東vs坂戸
二羽(川越東)
勝って大反省
意外だった。
まさか試合後、勝利監督のコメントから
「…大反省…」
というフレーズを耳にするとは。だが、致し方ないのだ。点を取っても取っても取り返されてしまったのだから。
坂戸はエース徳石が先発する。徳石はスライダーとシュートを駆使し序盤は川越東打線に的を絞らせない。
一方、川越東の先発は右横手投げの二羽。この手のタイプの投手は緩いカーブとストレートを低めに集めゴロを打たせることが生命線だが、この日はその生命線である低目へのコントロールができない。初回こそ2塁打1本で何とか凌いだが、案の定、2回に3長短打を集められあっさりと2失点しこの回で降板する。3回からはシンカー気味のストレートが持ち味の2年生山本が登板するが坂戸の吉沢に本塁打を浴びるなど流れを変えられない。
さすがに、このままでは終われない川越東打線も目を覚ましたか、3点ビハインドの4回表に1番猿田の
センター前2点タイムリーなど集中打を浴びせ5点を奪い逆転する。
そして、4回裏いよいよマウンドにはエースナンバーの2年生右腕・小柳津が上がる。だが、その小柳津も
悪い流れを断ち切れない。一巡目こそ独特の縦カーブを活かし坂戸打線をかわしていたが、2巡目以降はそのカーブにも対応されてしまう。
味方の援護もあり8回表時点で12-6、9回表時点で15-8と途中何度も立ち直るチャンスはあったが、15安打を浴び9失点と立ち直れない。坂戸打線の猛反撃にあい、最終的には9回裏15-12と3点差まで追い上げられ、さらに1死1,3塁、本塁打で同点という場面を作られてしまう。
最後は主戦・永井が後続を抑え事なきを得たが打線の援護に救われた感は否めない。この展開に思わず川越東・阿井監督も
「今日はこういう試合なんだと割り切って」
と苦笑いを浮かべるしかなかった。
永井(川越東)
この日も活躍した旧チームのレギュラー猿田・永井・城下を中心とし、一冬越えてパワーアップした
打線は好調だ。特に2番永井はこの日、打っては4安打2打点、守ってはキャッチャー、サード、ピッチャーと
1人3役をこなすなどまさに大車輪の活躍だった。
「彼にはどこでもやってもらわないと」
と阿井監督も彼の器用さを認めている。
また、今日のような大味なゲームにありがちなつまらないエラーも出なかった。守備も計算できる。となるとあとは、投手陣の整備これが最重要課題だ。
最後に、前述のフレーズの件だが阿井監督はこう言っていた。
「勝って大反省できて良かった。負けたら何も残らない」
と。そう内容はどうであれ勝つことでこの教訓を活かし次の試合に臨める。秋の大会地区予選で敗退している彼らにとって、特に若い投手陣にとっては一つでも多くの公式戦に投げることで急成長することがある。彼らにはそこを期待しているのであろう。
次は強豪・坂戸西戦である。若い投手陣は今回の教訓を活かし1試合でも多くの公式戦を戦い、成長することができるか?
(文=南 英博)