世田谷学園vs帝京
相沢(世田谷学園)
世田谷学園・相沢、公式戦初登板で帝京に完封勝利!
「信じられない」そう口にしたのは、この日、公式戦で初めてマウンドに上がった世田谷学園の背番号12をつけた相沢だ。気付けば、相手・帝京のスコアボードにはゼロが並んでいた。高校に入学してすぐにオーバースローからアンダーに転向した相沢のクセのある投球に帝京打線は苦しんでいた。
「初めての公式戦で緊張はありましたけど、2日前の練習試合でも初めて試合で“完投”を経験していたんで、投げることに少し自信がついていたんです。今日はまず自分がいけるところまで、いこう。せめて打順が一回りするところまでは投げたいなって考えながらマウンドに上がりました」(相沢)。また、そんな相沢を初回から打線が援護。世田谷学園は、帝京のエース伊藤から初回に3点を奪い、早々にマウンドから引きづり降ろすと、3回には3番・石川がヒットで出塁。「毎日、守備と打撃と同じだけ時間をかけて練習している」という自慢の走塁で三盗を決めた石川は、6番・小金井の打席でホームスチールを敢行。
「ホームスチールは、いつも練習でやってきていること。うちは、他にも何パターンもやり方があります」(小金井主将)と4点目を奪い、完全に世田谷学園が流れを呼び込んだ。6回には、相手の守りのミスなどからさらに2点を挙げ、6対0と帝京を突き放す。
一方、イニングが増すごとに焦りが生まれる帝京打線。相沢の遅い球を攻略できず、バットが空を切る。
「真っ直ぐとカーブだけでしたが、ストライクとボールゾーンをきちんと意識したこと。また、配球に変化を持たせることで抑えることができました」と振り返る相沢。成瀬監督も、「今日はよく投げてくれました。相沢は中高一貫生の生徒なので、普段は勉強もしっかりやる子。去年まではベンチにも入っていなかったけど、春以降も成長しましたし、この帝京戦で先発させたかった。今日の完封は一生の思い出になるんじゃないですか」と、活躍を称えた。
もちろん、これで終わりではなく、ここからがまた勝負の始まり。次は日大豊山を11対2で破った佼成学園が待ち受ける。
★3回戦 世田谷学園VS佼成学園 4月8日(金)10時試合開始(江戸川区球場)
(文=高校野球情報.com編集部)