福岡工vs西南学院
大西祐樹選手(福岡工)
基本に忠実な野球
3回戦の九産大九産戦(2011年3月26日)で20奪三振を記録した福岡工、大西祐樹。今日はどのようなピッチングを見せるのか。
結果的には点数を与えはしなかったが、試合後に下見世監督が「前回はよかったのに、今日はなぁ…」と言うように、今日の大西は立ち上がりから何かが違った。
1回裏、西南学院1番田中を三振に切って取るものの、続く今田に四球を与える。ここはダブルプレーで切り抜けるものの、2回には4番青木にヒットで出塁を許す。結局7イニングス投げて、三者凡退にしたのは3回の1イニングのみ。三塁は一度も踏ませなかったものの、被安打4、与四球3.注目されていた奪三振は4であった。
一方打撃では、2回表先頭山本がヒットで出塁すると、犠打と8番山本のタイムリーで先制する。
3回には先頭2番安川がヒットで出塁、犠打とタイムリーでこの回2点追加。4回には先頭9番渡邉、1番西田、2番安川の連続安打で追加点を挙げると5番大西の二塁打、8番山田のヒットで打者一巡の猛攻で一挙6点を加え、9-0とする。
5回表攻撃の前の円陣で「次の1点絶対取るぞ!」と気合を入れた。そのままの勢いでいくかとも思われたが、追加点を挙げたのは7回だった。先頭に代打前川が送られ、センター前へヒットを放つと、1番西田の二塁打で一気に生還。10-0となり、裏を抑えて7回コールドとなった。
一見、派手な野球をするかとも思えたが、福岡工の野球は『基本に忠実な野球』と言えるだろう。
出塁すれば、犠打で確実に送る。
走者は必ず、次の塁を狙っている。だから、フライでもしっかり走るし、一本のヒットで2つ以上進塁できる可能性が高い。守備では常にカバーリング。捕手から投手への返球の際でも、セカンド・ショートが常に動いている。また、プレー中でも常にできているから、ミスがミスにならない。
通常の練習から「基本に忠実な野球」をしているのであろう。
試合後、下見世監督は「公立高校が、頑張らんといかんよ。」と言われた。今回の南部大会では半分は公立高校が残っている。福岡工、そして公立高校の躍進を祈りたい。福岡工は、明日、同じ[stadium]県営春日公園野球場[/stadium]で注目左腕笠原大芽擁する福岡工大城東と対戦する。両投手の投げ合いに注目したい。
(文・撮影=鎌倉 彩)