太田工vs高崎工
金子(太田工)
工業校対決を制した太田工がベスト8に進出
連日、体温並みの気温が続いている群馬県各地。とにかく暑い。こんな中で、2時間以上、野球に集中し続ける精神力と体力には、それだけでも大変なことだ。もちろん選手たちは緊張感もあるだろうが、その一方で暑さとの戦いも大きい。失策が出るのもそんな気持ちにスキが出来た時かもしれない。序盤にはそんな失策が相次いだ試合だったが、不思議とそれが失点に絡まなかったのはよかったというべきか…。
公立の工業校対決の主導権を握ったのは2回に1死二塁から早川和の三塁打で先制した太田工だった。続く高島の右前打で早川和も帰りこの回2点。3回にも2死二塁から四番金子が右越三塁打して3点目。金子は6回にも左翼へソロ本塁打を放って四番としての役割を十分に果たしている。
体重100㎏という登録の金子だが、動きはシャープで一塁手としての守りでも軽快なところを見せていた。バットコントロールも巧みで、力だけではないというセンスのよさも感じさせてくれる面白い選手だった。
こうして、リードを保った太田工は7回には満塁で三番池崎の左中間二塁打などで4点を追加して試合の行方を決した。もっとも、7回からリリーフした田村がスピードはあるものの制球には乱れが多く、3イニングで4死球は内側を攻めたというよりもすっぽ抜けたというもので、このあたりは力みもあったのかもしれない。もっとも、太田工としては高田投手が先発して後半を球の速い田村が抑えるというのは継投パターンでもあり、金子繁監督としては高田が100球を越えたので、予定通り田村を送り出した。やや乱調ながらも、結果的には何とか抑えてリリーフの役目を果たした。
太田工としては、むしろ相手の先発投手が背番号7の深澤で、これは全く予測しておらず戸惑ったところがあったという。それでも、三番池崎と四番金子を中心として攻略していったあたりは、チームとしての確かさを感じさせるものだった。金子監督も、「予想外の先発投手で、正直最初はびっくりしていました。サイドでコーナーを突いてこられて面喰いましたね。コンパクトに打ち返していけという指示を出したのですが、中軸が打ってくれました」と、高崎工・林孝夫監督の意表を突いた投手起用に戸惑いながらも、それでもしっかりと対応していくことの出来た打線に手ごたえを感じていた。
(文=手束 仁)
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太田工 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 0 | 8 | ||||||
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高崎工 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 3 |
太田工:高田、田村―池崎、境野 高崎工:深澤、石田、渡部―原