西武台千葉vs柏陵
鈴木洋平(西武台千葉)
西武台千葉、前評判通りの実力を見せ、柏陵を一蹴
3月後半から全国各地で春季大会が行われ、九州、四国ではほぼ地方大会に出場するチームが続々と決まっている。そんな中、千葉県は9日からブロック予選が開幕した。春季大会は夏のシード権をかけて争われるが、強豪校との潰し合いでどうしてもノーシードで夏を迎えるチームもある。
第4ブロックでいきなり好カードが組まれた。昨年ベスト8の西武台千葉と好投手・一條を擁する 柏陵 の対決。お互い県大会の上位(西武台千葉は県大会初戦敗退、 柏陵 は二次予選敗退)に食い込むことができなかったが、一冬の練習によってどこまで伸びているか楽しみであった。西武台千葉が先攻で試合がはじまった。
柏陵 の先発は一条ではなく、栗尾。栗尾は右上手から130キロ半ばの速球を投げる本格派だ。威力ある直球に、スライダー、カーブを織り交ぜて、1回の表を三者凡退に切り抜ける。
対する西武台千葉の先発鈴木はストレートこそそれほど速くないものの、コントロールよく投げて打たせて取る投球が持ち味の投手。鈴木も初回を三者凡退に切り抜ける立ち上がりを見せた。
2回の表、西武台千葉はワンアウトから5番長谷川がエラーで出塁。そのあと、エラー、死球で二死満塁のチャンスを作る。9番染谷がショートのフィルダースチョイスで西武台千葉が1点を先制。そして押し出しでもう1点を追加し、2-0とする。
4回の表、 柏陵 は栗尾に代えて、背番号1の奥崎を投入。奥崎は栗尾ほど速くないものの、コントロールを武器に打ち取る投手だ。4回を0点に抑えて、攻撃のリズムを作るが、4回の裏、 柏陵 はあっさりと三者凡退に終わる。
5回の表、2番松本が右中間へ抜ける二塁打で出塁。3番皆川はセンターフライに倒れ、ワンアウト。4番鈴木がレフト前ヒットで、ワンアウト1,3塁のチャンスを作る。だが、5番長谷川がセカンドゴロで三塁走者がフォースアウトになり、ツーアウト。 柏陵 は次の打者を打ち取って、攻撃を迎えたいところだったが、6番小沢の死球で二死満塁となり、7番鈴木洋がレフト前の2点タイムリーで4対0とする。そして8番小野はライトにフライを打ち上げるが、ライトが目測を誤り、長打。これで6対0.1,3塁となったところで、一塁ランナーが盗塁を敢行。三塁ランナーは捕手がセカンドへ送球する隙をついて、ホームへ。セーフとなり、7対0になった。
7回の表、ワンアウトから9番染谷がショートの内野安打で出塁。染谷は盗塁、パスボールで三塁まで進む。1番能瀬が死球で、ワンアウト1,3塁となって、2番松本がスクイズを仕掛ける。これが成功し、さらに追加点。これで8-0とする。
そして7回の裏、先発の鈴木洋が三者凡退に打ち取り、ゲームセット。西武台千葉が7回コールド勝ちを収めた。
思わぬ結果となってしまったが、 柏陵 は守備の乱れから得点を献上する場面が多かった。この試合で4失策をしており、いずれも得点につながるミスであった。打撃云々よりも守備が乱れたことで、打撃のリズムが崩れてしまったのではないだろうか。
西武台千葉は相手のミスで得点を取った場面もあったが、大ぶりにならず、小刻みな攻めはできていたのは見事。守備も安定しており、この日は無失策。攻守ともに満足いく結果だといえるだろう。
西武台千葉は12日(野田市営野球場)二松学舎沼南と対戦する。
(文=高校野球情報.com編集部)
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