試合レポート

神戸国際大附vs東洋大姫路

2009.10.02

2009年10月03日 明石公園球場

神戸国際大附vs東洋大姫路

2009年秋の大会 兵庫県大会 準決勝

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岡本健(神戸国際大付)

エースで4番のキャプテンが延長15回を制し、神戸国際大附属が5年ぶりの近畿大会へ!

今大会屈指の好投手・岡本 健(ケン)を擁し、2試合連続10得点のコールドゲームを含む3試合すべて無失点で勝ち上がってきた 神戸国際大附属 の打線に対し、 東洋大姫路 の先発1年生右腕(10)原 樹理が、どんなピッチングをして、神戸国際大附属のエース(1)岡本と投げ合うのかが注目された準決勝は、1点を争う投手戦となります。

右の本格派・岡本が、初回から重いストレートと高速スライダーを使い、力で 東洋大姫路 打線をねじ伏せようとするピッチングに対して、1年生の原はストレートと変化球に緩急をつけ、低目へていねいに投げ、打たせて取るピッチングで、7回2アウトまで神戸国際大附属の打線を死球1つ・ノーヒットに抑えます。良く走り込み、1年生ながら一番練習をしている原をバックアップしようと 東洋大姫路 打線は、8回と9回に1アウトからヒットでランナーを出しますが、いずれもダブルプレーで岡本から得点をあげられません。

一方、神戸国際大附属も7回からようやく原をとらえて毎回安打。9回には、2番・松村のセンター前ヒットで制球を乱した原が、連続四球を出したところを攻め1アウト満塁のチャンスを作り、6番・石井がピッチャー前にスクイズをしますが、

原がマウンドを駆け下りて直接、右手で打球をつかみバックホーム・アウトのスクイズ失敗。このあと、ピンチヒッターも三振に倒れ3アウト。神戸国際大附属は、サヨナラ勝ちのチャンスをいかせず、延長戦に入ります。

10回表、 東洋大姫路 はこの回の先頭バッター5番・水原が、センター前ヒットで出塁し、送りバントで2アウト2塁としますが、神戸国際大附属のエース・岡本は、8番・1年生ピッチャーの原を、重いストレートでつまらせてセカンドフライに打ち取り、得点を与えません。

逆に、神戸国際大附属は、10回裏1アウトから9番・福田のレフト前ヒット、1番・石岡の犠打エラー、2番・松村の四球で満塁とし、9回に続いてサヨナラのチャンスを作ります。しかし、 東洋大姫路 の原も、3番・田中をレフトフライに打ち取ると、4番・岡本とのピッチャー対決では、先ほどのお返しとばかり、アウトローいっぱいにスライダーを投げ込み、空振りの三振。1年生とは思えない度胸満点のピッチングで、2度目のサヨナラのピンチをしのぎます。

延長戦に入って神戸国際大附属の岡本は、10回と13回に2度、先頭バッターを出すものの、後続は断ってヒットはこの2本だけ。球威が落ちないまま15回表の 東洋大姫路 の攻撃を2者連続三振で締めくくり、延長15回引き分け再試合か、サヨナラ勝ちかというところまで、チームを導きます。

そして15回裏、神戸国際大附属は、1番・石岡のレフト前ヒット、2番・松村の送りバントで1アウト2塁。3番・田中のファーストゴロで2アウト・ランナー3塁となり、打順は4番のキャプテン・エース岡本にまわってきます。

ここまで5打数2安打。前の打席でライト前ヒットを打たれ、神戸国際大附属打線で最も怖いバッターだけに、 東洋大姫路 の原と後藤田の1年生バッテリーは、1塁に歩かせて2アウト1・3塁で5番との勝負をするのではないかと思われました。初球と2球目は、アウトコースに大きくはずして2ボール。そして、 東洋大姫路 の1年生ピッチャー原が投げた201球目。力のないボールが真ん中に入り、それを見逃さず4番・岡本がセンター前へ弾き返してサヨナラヒット。3塁ランナーがホームインすると、原がマウンドに膝間づきゲームセット。延長15回・2時間59分におよんだ投手戦は、神戸国際大附属のキャプテン4番エースの岡本の179球・11奪三振・被安打5の15回完封という投打にわたる活躍で1対0。神戸国際大附属東洋大姫路 を破り、5年ぶりに秋の近畿大会出場を決めました。

しかし、 東洋大姫路 のピッチャー原も、2年生の好投手・岡本と互角に投げ合い、1回戦~準々決勝までの3試合22得点をあげていた神戸国際大附属の打線に1点しか取られなかったピッチングは見事でした。これからさらに経験を積み、伝統ある 東洋大姫路 のエースナンバー(1)をつけて、甲子園をめざしてほしいと思います。

神戸国際大附属・青木 尚龍監督】
何度もチャンスをいかせなかったので、再試合を覚悟していました。1週間、試合があいたので、バッターは力みすぎてバッティングのリズムがつかめなかった。最後は、岡本が敬遠されると思って、グランドから目を離したすきにタイムリーが出たので、岡本のサヨナラヒットは見ていません。この試合に勝つという気持ちが伝わってくるエース岡本の投球でした。4番エース・キャプテン岡本を中心とするチームですが、一戦一戦勝っていけば、まとまってさらに強くなるチームなので、5年ぶりの近畿大会でも頑張ります。

(文=田村正浩)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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