ソフトバンク松本ら後輩活躍に刺激受けるか・東北地区代表出身のOB
高校時代の松本 裕樹(盛岡大附出身)
夏の甲子園が2年ぶりに開催される。全49校が深紅の大優勝旗を目指して熱戦を繰り広げることだろう。すでに決定している全49校からは多くのNPBプレーヤーが誕生している。そのなかで代表的なOBや今シーズンも現役でプレーしている選手はどれだけいるのだろうか。各地区ごとに振り返ってみたい。
東北地区の代表は弘前学院聖愛(青森)、盛岡大附(岩手)、明桜(秋田)、日大山形(山形)、東北学院(宮城)、日大東北(福島)の6校となっている。そのなかで弘前学院聖愛と日大東北のOBには現役のNPBプレーヤーはひとりもいない。
盛岡大附は松本 裕樹(ソフトバンク)と杉山 晃基(ヤクルト)の2投手が今シーズン現役でプレーしている。
松本は序盤で先発として起用されていたが、5月後半からは中継ぎに配置転換された。ここまで19試合(先発6試合)の登板で1勝3敗2ホールド、防御率4.11と勝ちパターンに入るような投球はできていない。しかし前半戦終了間際は2試合連続で1回無失点と好投。いい形でシーズンの折返しを迎えた。8月4日の巨人戦(エキシビションマッチ)では中継ぎで3回無失点と結果を出しており、後半戦での飛躍に期待がかかる。
杉山は今シーズン一軍初登板を飾った2年目の右腕。2試合連続無失点と上々のスタートだったが、以降は2試合連続で1回を投げきれず3失点以上と苦しい内容だった。まずは二軍で結果を残し一軍再昇格を目指すことになる。
沢村賞投手の攝津 正(ソフトバンク)の母校でもある明桜は、砂田 毅樹(DeNA)と山口 航輝(ロッテ)の両選手が活躍している。とくに高卒3年目の山口は開幕スタメンに抜擢されたほどの有望株。32試合で4本塁打を放つも打率.158と結果を残すことができず5月31日に登録を抹消された。しかしエキシビションマッチで本塁打を量産しており、後半戦での巻き返しが期待されている。
日大山形は奥村 展征(ヤクルト)と中野 拓夢(阪神)のふたりが現役のOB。奥村が1学年上だが、2013年夏の甲子園に揃って出場しベスト4進出を果たした。
高卒でプロ入りした奥村に対し、中野は東北福祉大、三菱自動車を経て2020年のドラフト会議で指名されたばかりのルーキー。しかし前半戦で中野はレギュラーを獲得しオールスターゲームにも出場した。一方の奥村は一軍で打率.050(20打数1安打)と結果を出すことができていない。
東北学院はこれまで唯一のドラフト指名選手でもある本田 圭佑が2試合に先発。5月1日の日本ハム戦では5回1失点と試合を作ったものの、勝ち星はつかなかった。二軍では15試合(先発14試合)で防御率2.28と結果を残しており、後半戦で一軍昇格の可能性はありそうだ。
【東北地区の出場校OB】
※2021年シーズンNPBもしくはMLB所属
・弘前学院聖愛(青森)
なし
・盛岡大附(岩手)
松本 裕樹(盛岡大附→2014年ソフトバンク1位)
杉山 晃基(盛岡大附→創価大→2019年ヤクルト3位)
・明桜(秋田)
砂田 毅樹(明桜→2013年DeNA育成1位)※現在は支配下
山口 航輝(明桜→2018年ロッテ4位)
・日大山形(山形)
奥村 展征(日大山形→2013年巨人4位)※現在はヤクルト
中野 拓夢(日大山形→東北福祉大→三菱自動車岡崎→2020年阪神6位)
・東北学院(宮城)
本田 圭佑(東北学院→2015年西武6位)
・日大東北(福島)
なし
(文=勝田 聡)