Column

ブラバン夢の対決が実現!東関東・作新学院vs西関東・花咲徳栄 !!

2016.08.17

西関東・花咲徳栄vs東関東・作新学院 ブラバン夢の対決が実現!

 本日の第2試合、花咲徳栄vs作新学院。好投手対決に注目が集まるが、別の意味でも夢の対決として大いに注目を集めている。それが、吹奏楽界の西関東vs東関東強豪対決だ。

 全国でも屈指の激戦区として知られる東関東吹奏楽界にあって強豪としてその名を轟かす作新学院。吹奏楽の強豪による応援といえば、音量・音圧は武器になると世に知らしめた習志野のような「美爆音」を思い浮かべる高校野球ファンも多いが、作新学院といえばクリアで明るい綺麗なハーモニーが特徴。応援では大きな音を出すようシフトしているというが、その美しい音色は健在で、ファンも多い。

 作新音頭などのオリジナル曲をはじめとして約30曲のレパートリーを持ち、波状攻撃のように応援を次々と繰り出してくるスタイル。
大人気の「スキンヘッドランニング」は千葉ロッテマリーンズファンも納得のノリの良さ。これが流れるたびに、球場はもちろんツイッターなどでは大騒ぎとなる。TLがざわつく、といえば、今年からレパートリーに加わった「モンスターストライク」のメインテーマもそうだろう。注意して聞いていなかったとしても、「あれ?」と思わせ、いつの間にか作新学院の攻撃時に注目させてファンに引き込んでしまう選曲だ。伝統の曲を大切にしながら、今聞いて楽しい曲、話題の曲を入れ込んでくるエンターテインメント性の高さはさすがの一言。ファンが多いのも頷ける。

スタンドが一体となる花咲徳栄のファイト溢れる応援スタイル

 その作新学院と対するのが、応援の中毒性が高いと噂の花咲徳栄作新学院が東関東の強豪なら、花咲徳栄は西関東吹奏楽界の金賞常連校。こちらも全国屈指の激戦区で、吹奏楽王国・埼玉で日々研鑽を積んでいる。
試合開始時の「OMENS OF LOVE」や整備中の「宝島」を聞くと「ああ、トクハルだ」と感じる埼玉県民が多いように、全国でもT-SQUAREの曲や「サスケ」といった独特の選曲が代名詞となりつつある。しかし、野球部応援ではパーカッションや低音といったリズム隊を中心に太く歯切れのいい音に定評がある花咲徳栄の武器は、ファイティングポーズ全開の選曲とアレンジ。
「炎のファイター」「サンライズ」といったプロレスでお馴染みの、あるいはプロレスを知らなくても戦う時の曲だ!と認知されている曲を序盤に並べてくることも多く、球場が徐々に花咲徳栄応援に染まっていく。

 そして落ち着いてくると、ややゆったりとしたテンポでどっしりと、しかし流れるように「エル・クンバンチェロ」や「アフリカンシンフォニー」、「ダースベイダーのテーマ」等を繰り出してくる。しかも、それに合わせてスタンドの部員はもちろん、保護者や生徒も乱れぬ動きと声を一体となって出してくる。この迫力満点の演奏で、自分達はもちろん、観客たちも戦闘モードにして巻き込んでいくのだ。

 両校とも、おなじみの曲も少しずつアレンジを加えているのが心憎い。それと、サビだけでなく前奏部分から手を抜かないのも、全国の吹奏楽ファンから高評価となっているポイントのようだ。これは作新学院花咲徳栄だけではない。強豪と呼ばれる吹奏楽部が応援をする際は、前奏や終わり方が美しいことに気付くはず。細部にこだわる芸術性と職人魂が叩き込まれているのだ。

 演奏だけではない。大きな楽器を抱えスタンドまで行き準備をし、試合が終われば素早く撤収という一連の流れにも「グダグダ感」というものが皆無なのだ。グラウンドで躍動する選手と同じく、あるいはそれ以上に規律のとれたキビキビとした動きと音は、目にも耳にも心地いい。これを日陰のない炎天下のスタンドでも全てこなすのだから気力・体力ともに相当のものが必要とされる。文化部といって侮れないのは、もうお分かりだろう。
本日の第2試合は、選手達のプレーを目で見て楽しむのはもちろん、耳でも関東の凄みを堪能してほしい。

 


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(文・編集部)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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