Interview

桑田真澄(PL学園) PLに大きく育ててもらい、そして甲子園でさらに大きく育ててもらった

2019.11.09

 11月9日から2日間かけて行われるマスターズ甲子園。今年で第16回目となる今大会に出場しているPL学園。かつて全国に名を轟かせた野球ファンならだれもが知っている強豪出身でプロ、メジャーと渡り歩いた桑田真澄氏。今年からOB会長にも就任された桑田が「PL学園時代は1番だった」ということで、背番号1を付けて今大会に出場した。

久しぶりの聖地で感謝の意をもって躍動した

桑田真澄(PL学園) PLに大きく育ててもらい、そして甲子園でさらに大きく育ててもらった | 高校野球ドットコム
桑田真澄(PL学園)

 「昨夜からワクワクした気持ちで、ちょっと嬉しくて眠れなかった」という桑田は、利根商戦はベンチスタート。味方打線が3対1と2点リードを奪った4回からマウンドへ上がる。

 桑田の姿を一目見ようと駆け付けた多くのファンは、マウンドに上がることがわかると歓声と拍手で背中を押す。声援を一身に受けた桑田は「15歳の時に初めてプレーをさせてもらって、この球場に育ててもらった」と思いながら、110キロ~120キロ台のストレート。さらに代名詞であるカーブを織り交ぜながらのピッチング。
 力みを感じさせない流れるような綺麗な投球フォームは、今もなお健在。桑田本人は、「気持ちは高校生のつもりで投げていました。しかし、思ったように投げられない」と語るが、51歳という年齢で120キロ台のボールを投げ込めるのはさすがだろう。

 その桑田は先頭を粘られた末に四球で歩かせてしまうが、続くバッターをショートライナーで併殺。その後連打を許し、失点のピンチを招くも、ホームを踏ませず何とか無失点。桑田自身もこの場面を、「バックに助けられながら抑えられて良かった」と振り返る。

 5回もグラウンドに歩みを進める桑田だったが、その先はマウンドではなくショート。PL学園時代も就いたことのないショートの守備に就いたのだ。
 ショートでどのような動きを見せるのか注目したが打球は飛んでこず。しかし、セカンドとの併殺プレーの時に見せた動きは俊敏でスタンドの観客も驚きの声が漏れていた。

 そして6回に打席ではライトへ二塁打を放ち、味方のタイムリーでホームに返ってきた桑田。試合はそのまま5対1でPL学園が勝利し、笑顔で試合を終えることが出来た。

 この試合を振り返って、「いろんな世代が1つのチームになって戦えて有意義でした」と懐かしのPLのユニフォームを身にまとい試合を存分に楽しんだ桑田。一方で母校は現在休部状態で、OB会長して母校の野球部復活に向けて議論を重ねているそうだ。

 そしてKKコンビとしてともに全盛期を支えた清原和博氏について聞かれると、「いずれキヨも一緒にプレーできれば嬉しいですし、ファンの方も嬉しんじゃないでしょうか」とコメントを残した。

 そんな桑田が母校について、「僕はPLに大きく育ててもらって、そして甲子園でさらに大きく育ててもらって感謝の気持ちです」とコメントした。さらに、「野球から学んだ様々なことをこれからの人生に活かしたいですし、野球界にも貢献したいですね」と語った。

 近年野球人口の減少が問題視される野球界にどんな形で貢献するのか。また、清原との再会はどんな形で実現するのか。2人がPLのユニフォームを着てともにグラウンドに立つ日を楽しみにしたい。

(取材=田中 裕毅)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.26

【春季四国大会逸材紹介・高知編】2人の高校日本代表候補に注目!明徳義塾の山畑は名将・馬淵監督が認めたパンチ力が魅力!高知のエース右腕・平は地元愛媛で プロ入りへアピールなるか!

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.26

【奈良】智辯学園が13点コールド!奈良北は接戦制して3回戦進出!<春季大会>

2024.04.26

【春季奈良県大会】期待の1年生も登板!智辯学園が5回コールド勝ち!

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!