Interview

自分の打撃スタイルを確立したい!埼玉屈指のスラッガー・和田康平(埼玉栄)が掲げた誓い

2018.11.02

 2018年度の埼玉は野村佑希花咲徳栄)、蛭間拓哉浦和学院)の両スラッガーが盛り上げたが、来年、埼玉を熱くするであろうスラッガーがいる。その名が和田康平。熊谷リトルシニアから埼玉栄に進み、2年春の県大会でバックスクリーン弾を放つなど、鮮烈デビュー。秋季大会終了時点で高校通算5本塁打なものの、さらなる爆発に期待がかかる和田のこれまでを追った。

ケガを乗り越え飛躍の2年春に

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和田康平(埼玉栄)

 群馬県出身の和田が野球を始めたのは、小学校1年生から。軟式・大泉イーグルスでプレーすると、中学は群馬を出て熊谷リトルシニアに入団する。

 もともと群馬の硬式チームが候補だったが、親に熊谷リトルシニアを進められる。

 「体験会に行ってみたら、人数も多くて、全国大会にいける雰囲気もありました。大泉から熊谷は一応、通える距離にあったので、選びました」

 熊谷リトルシニアでは投手としてプレー。投手としては速球派、打っても4番打者としてチームの中心選手として活躍。

 中学3年時に肩を痛めていた影響もあり、埼玉栄に入学後の7月に手術。1年目はリハビリ中心の生活だった。ここで投手をあきらめ、野手に専念することにした。また、和田は入部当時体重が100キロ超えており、指導者から減量を進められていた。大好きだったお菓子と炭酸飲料を断ち、炭水化物、野菜中心の生活で20キロ減量し、80キロに。その後は筋トレに励み、88キロに増量した。

 試合に出場できるようになったのは2年春から。自慢の打力を生かし、レギュラーを獲得。見せ場となったのは、県大会・熊谷工戦。先発の小池颯太が投じたボールを逃さず、バックスクリーンに飛び込む本塁打を放った。打った瞬間、本塁打と確信できる当たりだったと振り返る。

 「打ったのは外側のボールです。とにかく春は打てる気しかしなかった」と好調ぶりを振り返る。しかし夏の大会では調子を落とし、4回戦敗退。悔しい夏となった。

[page_break思い切り振る それが僕の信条]

思い切り振る それが僕の信条

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和田康平(埼玉栄)

 自分が引っ張るつもりで始まった秋は、徐々に調子を取り戻し、県大会2回戦の花咲徳栄戦で真価を発揮する。9対9で迎えた10回裏、左中間へサヨナラ適時打を放ち準々決勝進出を決めた。殊勲打について和田はこう振り返った。

 「アウトコースのストレートでした。泳いでタイミングが崩れたんですが、いつも通り打っていたらショートゴロでしたが、ここから崩されても思いきり振っていった結果が長打となりました」

 何も考えずに思い切り振る。それがこの試合で学んだことだ。

 「春に打っていたときはどう打つとか考えないで、とにかく思いっきり振ってました。でも打てなくなったので、色々こう打つとか考えすぎてて。自分の取り柄はなんだろうって思っていたら、思いきり振ることだと。今は取りあえず強く振る事を心がけてみようと」

 しかし、準々決勝の浦和実業戦では無安打に終わった。

 「ボール球に手を出してしまい、見極めができませんでした。3打席目は良い当たりのセンターフライが打てて良かったです。ただ、4番打者としての打撃ができなくて、悔しい思いでした」

 現在はアウトコース、インコースを打つために、交互に打ち返す練習に取り組んでいる。また、思い切り振るスタイルを指導者たちも後押しする。

 「お前は三振かホームランでいいんだからとにかく思いっきり振れといわれて。でも、振りすぎると当たる確率が減るので、自分の中でベストスイングができて、なおかつコンタクト力も上げる感覚を見つけるために日々の打撃練習に取り組んでいます。今は高校通算5本塁打ですけど、さらに伸ばしていきたいです」

 そして目指すは「勝利に貢献できる打者」になることだ。

 「まだ試合によって好不調の波が激しいので、それを小さくして勝負所で打てる打者になりたいです」と強く誓った。

 埼玉栄にきたのは、熊谷リトルシニアの監督から「若生監督のもとでやれば絶対甲子園に行けるから」と言われ、進学を決心した。だが、やるのは選手自身。4番打者として自分のバットで甲子園に導いて見せる。

文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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