Interview

東海大菅生の2年生スラッガー・片山昂星に注目!一番のウリは本塁打の飛距離!

2017.07.31


片山昂星(東海大菅生)

 7月30日、東海大菅生、17年ぶり3回目の甲子園出場を決めた。注目なのが2年生ながら4番に座る片山昂星だ。決勝戦でも3安打の活躍。優勝に貢献した片山は、チームメイト曰くもっと活躍できる凄いポテンシャルを秘めた選手だという。

本塁打の飛距離はあの勝俣翔貴選手より上!

 6月下旬、東海大菅生の主将・小玉佳吾取材した時、小玉について詳しく知るために、チームメイトから話を聞いていると、3年生マネージャー・鈴木雅也が片山について教えてくれた。

「僕は記録員として公式戦・練習試合の成績をまとめているのですが、本塁打数が一番多いのは、片山です」
そして一言、こう付け加えて教えてくれた。
「正直にいうとヤバい奴です。見れば分かります」と薦める鈴木。他の選手たちにも聞くと、「あいつはやばいっすよ!まじで飛ばしますから!」というので、実際に打撃練習を見ると、確かに凄い選手だった。詰まることを恐れず、豪快なフォロースルーで打球を飛ばしていく姿はスラッガーだった。その後、若林弘泰監督に、片山について聞くと、「今日取材した小玉より凄い選手。もっと知られてほしい選手です」と絶賛する。

 そんな片山の経歴を振り返ると、小学校時代、羽二生 和樹)や稲玉零横浜創学館)らと横浜DeNAベイスターズジュニアに選出され、2012年のNPBジュニアトーナメントに出場した。横浜緑リトルシニアに在籍し、東海大菅生に入学した。片山が台頭するのは2年春からになるが、台頭のきっかけは冬場のトレーニングにあった。東海大菅生はこの時期に徹底としたトレーニングを行う。走り込み、ウエイトトレーニング、体幹トレーニング。片山は「この冬場のトレーニングが非常に大きかったです」と語るように、片山の潜在能力が開花。春先からホームランを連発。1年生まで本塁打は2本だったが、春から取材日時点で、16本もうち、高校通算18本塁打を記録。一気に16本を打ったのだ。春から16本は記録を取っている鈴木曰くトップの数字である。片山は豪快なフォロースルーを見せる選手だが、体幹の強化がよりボールに力を伝えることができて、遠くへ飛ばすことができるようになったのだろう。

 片山は本塁打1本1本の飛距離が半端なく、2年前のスラッガー・勝俣翔貴よりも上だという。特に凄かったのが、3月、日立製作所のグラウンド(日立製作所会瀬球場)で行われた練習試合。片山は両翼100メートルもあるこのグラウンドで、フェンスを軽々超えるどころか、ライトの防球ネットさえも超え、ライト奥にある民家まで飛ばす大ホームランを放った。この本塁打について片山は、「あれは今でも印象に残っています」と笑顔で振り返ってくれた。

 片山の成長にナインも認める。主将・小玉佳吾も「悔しいけど、片山は凄いです。本塁打を打った時の飛距離は半端ないですが、追い込まれても、あれだけ振ってもコンタクト能力が高いことなんです」とただ飛ばす選手だけではないことを明かしてくれた。

 夏前、片山は「4番を打たせていただくと思うので試合を決める一打、勝負強い打撃を見せていきたい」と語ったように、勝負強い活躍を見せてくれた。7月15日の桐朋戦で決勝の犠飛、準決勝の日大二戦では、7回裏、右腕・小貫泰一が投じたストレートを右中間深部へ打ち込む本塁打。これが片山にとって公式戦第1号となった。そして決勝戦では4打数3安打3打点と優勝の原動力となった。

 将来の目標はプロ野球選手。現在はファーストだが、いずれは中学時代に守っていたセカンドを守れるようになりたいという。

 8月7日開幕を迎える甲子園。チームメイト、スタッフが認める片山昂星の打撃に注目だ。

(文=河嶋宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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