試合レポート

【春季愛知県大会】校名変更した名古屋たちばなの「変幻継投」健在で、名古屋に完封勝ち

2024.04.14


4回を0に抑えた名古屋たちばな・蟹江

<春季愛知県高校野球大会:名古屋たちばな5-0名古屋>◇13日◇1回戦◇熱田愛知時計120スタジアム

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春季愛知県大会が4月2週目となる土曜日から、5地区の予選を勝ち上がった48校とセンバツ出場の豊川愛工大名電の計50校で始まった。

この4月に愛知産大工から男女共学になるに伴って、「名古屋たちばな」に校名変更した。昨秋は3回戦で細かい継投でタイブレークの末に中京大中京を下している。新校名をアピールする意味でも、この大会で躍進していきたいところであろう。名古屋は、愛知大学野球にも所属している名古屋学院大の系列校で、私学の進学校としての人気もある。

なお、この両校は今春の名古屋地区予選の1位校決勝トーナメントの1回戦で当たっており、この時は名古屋たちばな(当時は愛知産大工)が5対0で完封勝利している。

名古屋高砂 一貴投手(3年)、名古屋たちばなは、10番の蟹江 大雅投手(2年)が先発。お互いに初回は三者凡退で退けて無難な立ち上がりを見せた。

名古屋たちばなは2回、3回と三塁まで走者を進めながらも高砂投手を攻略しきれなかった。それでも4回、名古屋たちばなは、先頭の5番・田ノ上 海空外野手(3年)が三塁線を破る二塁打で出塁すると、バントで三塁へ進む。3度目の1死三塁となったが2死後、4回まで1安打のみで0に抑えていた先発・蟹江の代打として、山田 朔也外野手(3年)を起用。鈴木 将吾監督の期待に応えて、積極的に初球を捉えて左前打を放ってこれが先制打となった。

しかし、その後は名古屋の2人目として投げていた左腕の幅 瑛大外野手(2年)も踏ん張って、5回を終わって最少得点差のままだった。

名古屋たちばなのマウンドは、5回からは1番をつけた中島 稜太投手(2年)が登板した。代わった5回は安打2本を浴びたが、6回、7回は内野の好守もあって3人ずつで抑えた。そして7回、名古屋たちばなは9番の竹内 球人内野手(3年)が三塁線を破る二塁打で出塁すると、1番・淺井 太介内野手(2年)のバントが安打となり無死一、三塁。続く水野 迅内野手(3年)が左越え二塁打を放ち、2人をかえして名古屋たちばながようやくリードを広げる。

さらにバント後、4番・田中 脩夢内野手(3年)が中前安打を放って、もう1点を追加した。8回にも、名古屋たちばなは四球と盗塁にバントと野選でチャンスが広がり、無安打ながら相手暴投で5点目が入った。

名古屋たちばなは8回、9回と、例によって1イニングずつの継投で石川 萬才投手(2年)、三浦 大輝投手(3年)が、しっかりと投げ切って、終わってみれば4人の投手で5安打「完封リレー」という形になった。鈴木監督も、「継投は定番ですから、それぞれがしっかり投げてくれたということです」と、昨秋は中京大中京に対して7人の「変幻継投」でタイブレークを制した力を示した。「変幻継投」健在といったところであろうか。

鈴木監督は、「冬の間に言ってきたことは、秋に中京大中京に勝ったのが、まぐれだと言われんように、きちんと春も県大会で勝っていかれるようにしていかないといかん」ということだったという。そして、攻撃面では失敗を恐れず攻めていくという姿勢が4回と7回には功を奏したという形になった。

4月からの新校名に関しては、「今日が、試合のアナウンスで校名を呼ばれるのが最初だったんですが、正直まだピンとこんですね」と永年‟愛知産大工”として指導してきた鈴木監督の実感でもあろうか。ユニホームもスクールカラーのエンジを入れるなど、デザインも多少変更された。新入部員も45人が入って、大所帯になってきているということだ。

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この記事の執筆者: 手束 仁

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