【春季静岡県大会】加藤学園が細かい継投で富士宮西を完封し、7回コールド勝ち
加藤学園・山口真弥
<春季静岡県大会:加藤学園8-0富士宮西>◇6日◇東部地区上位決定戦◇愛鷹広域運動公園
加藤学園は近年、東部地区では安定した実績を残している。新型コロナの影響で中止になってしまったが、2020春のセンバツには出場も果たしている。そして、今春は沼津商には苦戦したが3対2で振り切り、田方農には7対0と快勝した。昨秋には、県大会2回戦で浜松工に敗れて、チームとしての精度に関しても不満を漏らしていた米山 学監督。一冬を越えて、どこまで整備されてきているのかというところも注目だった。
対する富士宮西は、かつて1987年(昭62)春には甲子園出場を果たした実績もあるが、近年は多くの公立校と同様に、部員確保にも苦戦している状況ではある。この大会も13人という状況での戦いとなっている。それでも21世紀枠代表として2021(令3)年に甲子園出場している三島南と、伊豆総合を下して上位決定戦にまで進出してきた。
加藤学園は初回、2死走者なしから3番・梅本が左中間二塁打を放つと、続く片山 晴貴捕手(3年)がしっかり三遊間を破って二塁走者を返して先制。4番打者としての役割を果たした。
さらに1番からの好打順だった3回にも、四球と安打にバントでチャンスメークすると、片山が四球で満塁となり、2死後6番・坂本 大河内野手(2年)が中前打して2者をかえして追加点を挙げた。
4回にも1死三塁からボークで幸運な追加点。そして、5回には坂本の内野安打や8番・屋(おく) 海州外野手(3年)の中越え二塁打などで、さらに4点を加えてワンサイド気味となった。
加藤学園は、この日は先発保坂投手が3イニング、昨秋の経験もある森 虎大朗投手(3年)が2イニング、さらには左腕・坂本 逞投手(3年)、同じく左腕の山口投手と、1イニングと4人が投げた。米山 学監督は、「県大会の出場を決めた後の公式戦という場でもありますから、投げられる投手を何人か投げさせて、公式戦でどう投げられるのかというところも試してみたかった」と、豊富な投手陣の県大会の登録メンバーへ向け、競い合いとしての意味も含めて、細かい継投をしていったという。
そうした中で、最後に投げた山口投手はポテン安打を1本許したものの「いい投球はしていた」と評価していた。そして、トータルな部分でも、「危なっかしいところもありましたけれども、何はともあれ失点を0に抑えられたのはよかった」というところでもあった。また、打っては4番でもあり、チームの核となる片山に関しては、「落ち着いてリードしていたのではないかと思う。ベンチの意志も伝わってきていると感じられるようになった」と、その成長も認めていた。
加藤学園は、このところ激戦となってきている東部地区の中で、躍進してきている存在ともいえる。コロナの影響で中止になってしまったが、2020年春のセンバツ出場を果たしてから、着実に県内での実績を上げてきており、チームとしての層も厚くなってきている。日大三島を筆頭として、知徳、飛龍に御殿場西などの強豪がひしめく東部地区で存在感は十分に示している。
富士宮西は結局、加藤学園の4投手に対して散発の5安打。三塁へ走者を進めたのも4回の1度だけ。思うようには攻めきれなかったようだ。
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