星稜・3番芦硲晃太が1本塁打6打点！ 打線爆発で豊川にコールド勝ち＜明治神宮大会準決勝＞

＜第54回明治神宮野球大会：星稜15－3豊川（5回コールド）＞◇19日◇高校の部・準決勝◇神宮

1回戦は打撃戦、2回戦は守り合いに勝って準決勝に進出した星稜（北信越）に対し、豊川（東海）は初戦を打ち合いのタイブレークで勝って準決勝に進んだ。それでも星稜の4番・萩原 獅士内野手（2年）と、豊川の3番・モイセエフ ニキータ外野手（2年）という、両チームの主軸の打者は好調で、今大会でも破壊力を発揮している。

星稜の先発は道本 想投手（1年）、豊川の先発は中西 浩平投手（1年）と、準々決勝と同じ投手が先発のマウンドに立った。

1回、星稜は1死二塁から3番の芦硲 晃太外野手（2年）が二塁打を放って1点を先制。芦硲も5番・服部 航内野手（1年）の左前安打で還り、この回2点を入れる。

その裏、豊川は2死から3番・モイセエフが打った瞬間、それと分かる本塁打を放ち1点を返す。ここまでは打ち合いの様相を呈していた。

しかし、2回に星稜の猛打が火を噴く。1死一塁から1番・吉田 大吾内野手（2年）の二塁打に続き、3番・芦硲の中前安打で2点を追加。さらに4番・萩原の2試合連続となる本塁打でさらに2点を追加する。この回さらに8番・専徒 大和外野手（2年）の中前適時打などで2点を追加し、この回6点を挙げる。

その裏、豊川は5番・北田 真心内野手（1年）、8番代打・三浦 康生内野手（2年）の二塁打などで1点を返し、反撃するが、3回、星稜が3番・芦硲の右前適時打などで3点を追加する。

さらに4回、星稜は当たっている3番・芦硲の2ランなどで4点を入れる。芦硲はこの試合、5打数4安打。本塁打1本に二塁打1本で6打点の大当たり。4番・萩原もこの試合3打点を挙げており、3番、4番の破壊力が際立っている。特に芦硲は夏の甲子園大会の後、自ら主将をすると申し出たという。「ビジョンを持って、よく引っ張ってくれています」と星稜の山下智将監督は言う。

4回、豊川は途中出場の三浦のこの試合2本目となる二塁打などで1点を返したが、5回は、星稜の2番手・新島 星空斗投手（2年）に無失点に抑えられ、15対3の5回コールドが成立した。

東海大会優勝の豊川としては、衝撃の大敗ではある。豊川の長谷川 裕記監督は、「改めて全国の壁を感じました」と言う。けれども、それを秋の段階で感じることができたのは、これからの冬の練習に向けて、大きな収穫だったことも確かだ。モイセエフをはじめとする打線の破壊力はかなりのものだ。あとは投手をはじめとする守りをどう整えてくるか注目される。

打線の破壊力を遺憾なく発揮した星稜であるが、山下監督は、「こんなに打てるチームではないのですが」と語る。決勝戦では、小川 哲平投手（2年）をはじめとする作新学院（関東）の投手力に打線がどう対応するか。「一戦一戦学びながら、もう1試合できることは大きいです」と山下監督は言う。準決勝を5回コールドで終えたことで、エースの佐宗 翼投手（2年）を休ませることができたことも大きい。いずれにしても作新学院との決勝戦は総力戦になる。今年の高校野球を締めくくる好ゲームを期待したい。