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【’23高校野球10大ニュース・近畿】3位は超高校級左腕、2位は夏の大阪大会の死闘、1位は…?

2023.12.11


名場面が数多くあった2023年の高校野球。特に甲子園のお膝元である近畿地区では、ハイレベルで見ごたえのある試合をたくさん見ることができた。中でも印象に残っている出来事を、10大ニュースとしてランキング形式で紹介していきたい。

第10位:京都外大西が復活の秋季近畿大会準優勝

この秋に復活を強く印象付けたのが京都外大西(京都)だ。2005年夏の甲子園で準優勝するなど、全国レベルの強豪だったが、最後に甲子園に出場したのは2010年夏。強豪揃いの京都府を勝ち抜けない年月が続いた。
その中でも、一昨年は夏の京都大会で準優勝。昨年は、西村 瑠伊斗内野手がヤクルトからドラフト2位指名を受け、上昇ムードは漂っていた。

今秋は26年ぶりに秋の府大会を制すると、近畿大会では彦根総合(滋賀)、履正社(大阪)と、今春の甲子園出場校を立て続けに撃破。準決勝ではエースの田中 遙音投手(2年)が好投して、耐久(和歌山)に1対0で競り勝った。決勝では大阪桐蔭(大阪)に1対2で敗れたが、9回表は2死満塁まで追い詰める善戦。13年ぶり出場の近畿大会で躍進した。
投手では、チェンジアップとカーブを武器とするエースの田中が大黒柱に成長。打線は長距離砲こそいないが、ここぞの場面で畳みかけられる集中力があり、勢いに乗せると怖い。大野 雄大投手(現・中日)を擁した2006年以来の出場が濃厚となっているセンバツでも存在感を発揮してくれそうだ。

第9位:彦根総合が甲子園初出場

今春のセンバツに、春夏通じて甲子園初出場を果たしたのが滋賀の彦根総合だ。数年前までは全国的に無名の学校だったが、2020年に北大津を6度の甲子園出場に導いた宮崎裕也監督が赴任して、一気に強化が進む。寮やグラウンドが新たに完成して、設備面が充実。宮崎監督が初めてスカウトした現3年生は1年春から経験を積み、昨秋の近畿大会で8強入りを果たして、センバツ出場をつかみ取った。

初めての甲子園では、(山口)の升田 早人投手(3年)を打ち崩せずに、0対2で敗れたが、甲子園に確かな1歩を刻んだ。
その後も、夏は滋賀大会4強、秋は3位で近畿大会出場と好成績を残しており、2度目の甲子園出場も、そう遠くない日に見られるかもしれない。現在の滋賀県は、近江が黄金時代を築いているが、それに待ったをかける存在となっていきそうだ。

第8位:滝川第二に服部大輔監督就任&坂井陽翔が楽天ドラフト2位指名

今年の高校野球界を賑わせた学校の1つが、滝川第二(兵庫)だ。昨年からエースの坂井 陽翔投手(3年)がプロ注目の投手として注目されていたが、昨年9月に暴言などがあったとして前監督が解任。そこで指導をさせてほしいと学校に手紙を送ったのが、平安(現・龍谷大平安)OBの服部大輔さんだった。
服部さんは高校2年生だった2003年に春夏連続で甲子園に出場。夏の3回戦で東北ダルビッシュ 有投手(現・パドレス)と投げ合い、17三振を奪いながらも延長11回に0対1でサヨナラ負けを喫した試合は、名勝負として語り継がれている。

今年4月に監督に就任すると、坂井を擁して夏の兵庫大会で4強入り。甲子園出場とはならなかったが、服部監督の今後に期待が持てる戦いぶりだった。
そして、坂井はプロ志望届を提出。楽天からドラフト2位指名を受けて、プロの世界に進むことになった。186センチの長身から投げ込む、最速149キロの直球には将来性を感じさせる。数年後には先発ローテーションの一角を任されるような投手になってくれるのではないだろうか。

第7位:侍ジャパンU-18代表の世界一に前田悠伍らが貢献

2023年の高校野球で明るい話題といえば、WBSC U-18ベースボールワールドカップで日本代表が初優勝したことではないだろうか。近畿地区からは前田 悠伍投手(大阪桐蔭)、中山 優月投手(智辯学園)、森田 大翔内野手(履正社)が出場した。

特に前田は、投手陣の大黒柱として活躍した。1次ラウンドのアメリカ戦では5.2回を投げて4安打8奪三振無失点。スーパーラウンドの韓国戦でも4回1安打無失点と、抜群の投球を見せた。さらに決勝の台湾戦では初回に先制を許しながらも1失点完投。大会を通じて高いパフォーマンスを発揮して、初優勝の原動力となった。

中山は智辯学園の時と同様に、投手と内野手の二刀流として活躍。10日間で9試合を戦う過密日程の中で頼りになる存在だった。
森田は打線の中心を担い、8打点を記録。ここぞの場面で長打を放って、チームの勝利に貢献した。

第6位:強豪を次々と下した田辺が52年ぶりの近畿大会出場

この秋にジャイアントキリングを連発したのが、和歌山県大会準優勝の田辺だ。準々決勝で今夏の甲子園出場校である市立和歌山に9対2で8回コールド勝ち。準決勝では智辯和歌山に5対2で勝利して、52年ぶりの近畿大会出場を決めた。
近畿大会では初戦で敗れたものの、京都国際(京都)と延長戦までもつれる好ゲームを繰り広げ、県大会の戦いがフロックでないことを証明した。

田辺は100年以上の歴史がある公立の進学校。選手18人と決して多くはない部員数の中で、文武両道を実践して強豪校と渡り合っている。こうした取り組みが評価されて、21世紀枠の近畿地区推薦校に選出。76年ぶりのセンバツ出場の可能性を残した。
130キロ台の速球を投げるエースの寺西 邦右投手(2年)と、智辯和歌山戦で満塁本塁打を放った4番遊撃手の山本 陣世内野手(2年)を中心に、一般枠で選出されたチームにも劣らない戦いが期待できる。来年1月26日の選考委員会でどんな評価を受けるだろうか。

第5位:智辯和歌山が夏の和歌山大会で初戦敗退

夏の地方大会で強豪校が甲子園を逃すというニュースはよく見られたが、最もインパクトが強かったのは智辯和歌山の初戦敗退ではないだろうか。一昨年の優勝をはじめ、昨年まで5大会連続で夏の甲子園に出場していたが、今年は初戦で高野山に2対4で敗れて、甲子園出場を逃す結果となった。
智辯和歌山が夏の和歌山大会で初戦敗退を喫したのは22年ぶり。自慢の打線が4安打に封じられ、試合の主導権をつかむことができなかった。
巻き返しを図った秋も、準決勝で田辺に敗戦。近畿大会に進むことができず、2季連続で甲子園出場が絶望的となった。来年こそは強い姿を取り戻せるか。

第4位:報徳学園がセンバツ準優勝

春、夏ともに関東勢が甲子園を制した中で、最も甲子園で好成績を残したのが春準優勝の報徳学園(兵庫)だ。オリックスからドラフト4位指名を受けた強肩強打の捕手で主将の堀 柊那捕手(3年)を筆頭に能力の高い選手が揃っていた。
投手陣は盛田 智矢投手(3年)、間木 歩投手(2年)、今朝丸 裕喜投手(2年)とハイレベルな3人を擁し、野手陣も初戦で本塁打を放った石野 蓮授外野手(3年)や、好守の遊撃手・竹内 颯平内野手(3年)など、それぞれに個性が際立っていた。
準決勝では近畿大会決勝で敗れた大阪桐蔭にリベンジ。11年ぶりの優勝とはならなかったが、実力を十分に発揮したといえるだろう。

第3位:前田悠伍がソフトバンクからドラフト1位指名

2023年の高校3年生世代を常に引っ張ってきた高校球児といえば、間違いなく大阪桐蔭前田 悠伍投手(3年)の名前が挙がるだろう。1年秋から大事な試合でマウンドに上がり続け、明治神宮野球大会連覇と昨春の甲子園優勝に大きく貢献した。
侍ジャパンU-18代表でもエースとして大奮闘。WBSC U-18ベースボールワールドカップでは決勝の台湾戦で1失点完投するなど、3試合、16.2回を投げて1失点と力を見せつけた。
高校3年間の活躍が評価され、10月のドラフト会議では外れ1位指名で日本ハム、楽天、ソフトバンクが入札。抽選の末にソフトバンクが交渉権を獲得した。
背番号は、昨年まで千賀 滉大投手(現・メッツ)が背負っていた41になることが決定。このことからも、期待値の高さが目に見える。高校3年間で残した実績は文句なし。プロでも、一線級での活躍に期待したい。

第2位:夏の大阪大会決勝で履正社が大阪桐蔭に勝利

甲子園を懸けた夏の地方大会決勝戦は、どこも熱戦が繰り広げられたが、特に高校野球ファンの注目を集めたのが、大阪大会の履正社大阪桐蔭だろう。絶対的エースの前田 悠伍投手(3年)に、強力打線を擁する大阪桐蔭に対して、履正社は背番号10の左腕・福田 幸之介投手(3年)が3安打完封。これまで決勝で大阪桐蔭相手に何度も涙を呑んできた履正社が、3対0で勝利して夏の甲子園の出場権をつかんだ。
この試合で快投を見せた福田は、ドラフト4位で中日から指名を受ける。彼にとっては野球人生のターニングポイントとなった試合だったことは間違いないだろう。

第1位:耐久旋風

今年の近畿地方で最も印象に残る快進撃を見せたのが、和歌山の耐久ではないだろうか。学校創立はペリー来航前年の1852年。野球部も118年の歴史を持つ超伝統校ではあるが、過去に甲子園出場の経験はない。それが、この秋は県大会で初優勝を飾ると、近畿大会でも2勝を挙げて4強に進出。来春の甲子園出場を確実にした。
躍進の原動力となったエースの冷水 孝輔投手(2年)は、最速142キロの速球を投げる本格派右腕。ピンチの場面で粘り強く投げられるのが持ち味だ。
選手は2学年で19人とベンチ入り定員の20人にも満たないが、全体的にバットはよく振れており、甲子園でも十分に戦えると見ている。
センバツの出場が決まれば、春夏通じて初の甲子園出場。全国の強豪相手にどんな戦いを見せてくれるだろうか。
(文/馬場 遼)

この記事の執筆者: 馬場 遼

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