【九州】神村学園「スタメン全員甲子園経験者」の貫禄! 今夏聖地 4強vs.8強対決、沖縄尚学にコールド勝ち〈秋季地区大会〉
岩下 吏玖(神村学園)※写真は過去の取材より
<秋季九州地区高校野球大会:神村学園9-1沖縄尚学(7回コールド)>◇28日◇1回戦◇小郡
来年春のセンバツ出場をかけた九州大会初日から、今夏甲子園で4強に入った神村学園(鹿児島)と、今夏甲子園で8強入りを果たした沖縄尚学(沖縄)の対決が行われた。互いに甲子園を良く知る、強豪同士の対戦とあって、小郡市野球場には多くの高校野球ファンが詰めかけたが、大舞台の経験がものをいう結果となった。
神村学園が初回から襲い掛かった。沖縄尚学先発の入里 凛投手(2年)から、3番・今岡 拓夢内野手(1年)と、5番・岩下 吏玖内野手(2年)の2本の適時打で2点を先制。3回に4番・正林 輝大外野手(2年)の適時打で1点を追加すると、5回に底力を発揮した。
2四球と安打で1死満塁のチャンスをつかむと、岩下の2点適時打に続いて、6番・上川床 勇希外野手(2年)の右前打でさらに1点を挙げると、暴投などもからみ一挙6得点。この勢いで強豪の沖縄尚学からコールド勝ちをマークしてみせた。
この日のスタメン9人は、全員が今夏甲子園でメンバー入りしていた。そのうち、今夏甲子園準決勝でスタメンだった2番・増田 有紀内野手(2年)、4番・正林、5番・岩下、6番・上川床の4人は、そのままの打順で、この日もスタメン出場した。岩下が3打点、正林と上川床がそれぞれ1打点と、9点中5点は旧チームスタメンの打点。甲子園4強の中核がそのまま残る神村学園が圧倒した形となった。
それでも、指揮を執る小田大介監督は「経験値が生きているだけ。この九州大会を一番成長する大会にしようと、選手には言っている。ミスはOKだよ、でもすぐに修正してどこまで成長できるかが楽しみ」とさらなる「経験」の積み重ねを求めていた。4打数2安打3打点の活躍を見せた岩下は「経験があってもチーム全体に浸透しないといけない。みんなで声掛けするなど、言葉のキャッチボールを大事にしています」とチームで成長していくことの大事さを口にしていた。
小田監督はさらなる高みを求める。「もし、できることなら九州で一番になって明治神宮大会にも行きたい。私も経験がないので、選手も含めてたくさん経験させてもらいたい」と九州チャンピオンとなって、またひとつ大きな経験を積むことに突き進む。
敗れた沖縄尚学の比嘉公也監督は「投手力がすべて。これを課題に立て直してきます」と完敗を認め、逆襲を誓っていた。