試合レポート

【大学野球・阪神大学野球】3回戦 関西国際大 vs 大阪電気通信大

2023.09.06


関西国際大が逆転サヨナラ勝ちで勝ち点獲得

関西国際大が延長戦を制して勝ち点を獲得した。

関西国際大の先発は不後祐将(4年=中京学院大中京)。2日の1回戦で15奪三振完封勝利を収めたエース左腕はこの日も変化球主体の投球で大阪電気通信大打線を封じ込めていく。

互いに先発投手が中2日の先発で猛暑の中での試合ということもあり、関西国際大の鈴木英之監督は4~5点勝負を想定していたが、大阪電気通信大先発の江本裕輝(4年=枚方津田)も左腕からテンポの良い投球を見せ、関西国際大打線に的を絞らせない。両チーム得点を取ることができずに試合は進んでいった。

打線の援護に恵まれなかった不後だが、「先に点は取られないぞという気持ちはありました」とエースの意地を見せ、9回まで3安打無失点。江本も4安打無失点と負けずに好投して0対0のまま延長戦に突入した。

阪神大学リーグでは10回から無死一、二塁からスタートするタイブレーク方式が採用されている。大阪電気通信大は先頭の6番・中原悠空(2年=東山)が犠打を決めて一死二、三塁。続く代打の山本怜央(1年=北海)の打球は痛烈なピッチャーゴロとなるが、不後が見事にキャッチして、三塁走者を三本間で挟んだ。しかし、不後の三塁送球が逸れてしまい、三塁走者が生還。二塁走者も本塁を狙ったが、関西国際大のレフト・神内秦(4年=福知山成美)の好送球もあり、アウトとなる。不後は続く打者を空振り三振に仕留め、失点を1点に留めた。

その裏の関西国際大も犠打で一死二、三塁とすると、8番・松林大雅(3年=淡路)の右犠飛で同点とする。さらに二死二塁とチャンスは続き、ここで代打に庄司仁(3年=日本航空)を送り込んだ。対左投手の代打要因としてベンチ入りしていた庄司はその期待に応え、センター前に打球を弾き返す。二塁走者は一度ストップしたが、センターがボールを弾く間に再スタートを切ってホームイン。サヨナラ勝ちを収めた関西国際大が2勝1敗で勝ち点を獲得した。

「胃が痛いのは通り超えています。勝てて良かったです」と安堵した鈴木監督。苦しい試合を乗り切ったことは今後の戦いに繋がるだろう。次節ではプロ注目右腕の松田琢磨(4年=大冠)を擁する大阪産業大と対戦することになっており、またしても痺れる投手戦が見られそうだ。

取材=馬場 遼

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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