試合レポート

奈良商工vs榛生昇陽・宇陀

2023.07.11


奈良商工先発の貝辻奏凪

奈良商工が5回コールド勝ちで初戦突破!エース・貝辻が4回パーフェクトピッチング

<第105回全国高校野球選手権奈良大会:奈良商工16-0榛生昇陽・宇陀(5回コールド)>◇10日◇2回戦◇佐藤薬品スタジアム

奈良商工が5回コールド勝ちで初戦を突破した。

奈良商工の先発は主将の貝辻 奏凪投手(3年)。130キロ台後半の速球を投げる本格派右腕は全球直球でこの試合に挑んだ。「指にかかるところはしっかりかかっていた」と力のある球で4回をパーフェクトピッチング。7奪三振と実力を発揮した。

実は貝辻は昨夏まで内野手で、新チームになってからチーム事情で投手に転向。「野手としてかなりの能力を持っている」と中野俊彦監督は評価しており、大学では野手で勝負する可能性を示唆していた。その本領を発揮したのが、2点リードの1死三塁で迎えた1回の第1打席。5番を打つ貝辻は右中間を破る適時三塁打を放ち、リードを3点に広げた。

一方、選手12人の「榛生昇陽・宇陀」はスタメンのうち3人が高校から野球を始めた選手。貝辻の速球に対してバットが空を切ることが多く、守りでも失点を重ねたが、自分たちの力を出しきって戦い抜いた。

奈良商工は5回から右横手投げの髙橋 羽琉投手(3年)に継投する。「榛生昇陽・宇陀」は2死まで1人の走者を出せずにいたが、6番の新谷 竜生(3年)が右前にチーム初安打を放ち、完全試合を回避。後続は倒れて5回コールド負けとなるも最後の最後に意地を見せた。

榛生昇陽と大宇陀が統合して昨年度に宇陀が開校。そのため3学年が同じ校舎で学ぶが、3年生が榛生昇陽、1、2年生が宇陀のユニフォームを着て戦った。榛生昇陽として最後の夏を戦った1番の主将、山本 光助捕手(3年)は「自分にできることはやり尽くしたので悔いはないです」と胸を張った。

勝利した奈良商工の貝辻は「智辯学園、天理を倒して甲子園に出て勝つことが目標です」と意気込む。昨夏は背番号6を貰いながら、大会直前に新型コロナウイルスに感染してチームに貢献することができなかった。その悔しさを晴らすべく、最後の夏に挑んでいる。

取材=馬場 遼

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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