試合レポート

瀬田工vs日野

2023.07.15


4回裏に先制のソロ本塁打を放った平田大樹(瀬田工)

瀬田工が7回コールド発進!プロ注目打者の平田が本塁打でアピール

<第105回全国高校野球選手権滋賀大会:瀬田工7ー0日野(7回コールド)>◇14日◇1回戦◇HPLベースボールパーク

1982年春以来の甲子園出場を目指す瀬田工にプロ注目の打者がいる。それが4番・中堅で出場した平田 大樹外野手(3年)だ。

試合前の時点で高校通算20本塁打を放っている右投左打の強打者で、50メートル走のタイムは5秒9とドラフト候補と呼ばれるに相応しい能力を持っている。

だが、夏前まで無名だったのも無理はない。1年秋から主力選手として活躍していたが、昨秋から体調が思わしくなかったという。秋の近畿大会には出場こそするも本調子とは程遠く、今春の県大会はベンチ外。冬には部を離れることも考えたそうだ。

それでもチームメートの支えもあり、練習に復帰。夏前になると本塁打を量産するようになり、プロのスカウトから注目を集めるようになったのだ。

日野との初戦には9球団のスカウトが視察。2死三塁と先制のチャンスで迎えた1回の第1打席こそ遊飛に倒れたが、0対0の同点で迎えた4回に真価を発揮した。この回先頭の平田は1ボール1ストライクから甘く入った直球を捉えると、「打った瞬間にホームランだと確信しました」と右腕を突き上げる。打球は右翼席に飛び込む高校通算21本目の本塁打となり、瀬田工に先制点をもたらした。

さらに5回の第3打席でも「無理に引っ張りに行かずにしっかりとらえられたので良かったです」と右翼に二塁打を放ち、ミート力の高さをアピール。7回の第4打席では先頭で四球を選び、3打数2安打1本塁打1四球と初戦から実力を見せつけた。

平田の一発で流れをつかんだ瀬田工はその後も試合を優位に進める。守りではこちらもプロ入りを目指すエース右腕の𠮷田 翔湧投手(3年)が「中盤くらいからコースに投げられて、上手く抑えられたと思います」と7回を投げて4安打12奪三振無失点の好投。「真っすぐがいつもより走っていた」と自己最速を1キロ更新する141キロをマークし、縦に鋭く落ちるスライダーも決め球として機能した。

投打の柱が活躍した一方、5点リードの7回には1死二、三塁から7番・中嶌 俊内野手(2年)がコールド勝ちを決める2ランスクイズを決めるなど、きめ細かい攻撃を披露。守備も無失策と安定しており、幸先の良いスタートを切った。

2回戦では秋の県大会決勝で敗れた彦根総合と対戦する。「リベンジというか、絶対に勝ってやるぞという思いです」と意気込む平田。まだ大会序盤だが、早くも注目のカードが実現しそうだ。

取材=馬場 遼

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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