東海大菅生vs桐朋

東海大菅生4番・酒井の二塁打で先制、日當が3回を無失点救援！桐朋・森井も存在感

＜第105回全国高校野球選手権東東京大会：東海大菅生7－1桐朋＞◇17日◇4回戦◇府中市民

春季都大会は4回戦で敗れたものの、センバツで準々決勝に進出した東海大菅生は優勝候補。対する桐朋には2年生の投打二刀流で知る人ぞ知る存在の森井 翔太郎投手がいる。森井が東海大菅生にどこまで通用するかが、この試合の大きな見どころであった。

この試合、先発のマウンドに立った森井は、1回は奪三振1を含む3者凡退に抑える。続く2回は、2四球を出したものの奪三振2を含め無安打に抑える。力で押していく森井の投球について、東海大菅生の宮原上総監督は「身体の能力が高いと聞いていましたが、あそこまでとは、予想できませんでした」と語る。

それでも2巡目になれば対応してくるのが強豪校だ。3回まず9番・先発投手でもある宮本 恭佑投手（2年）が死球で出塁し、1番・高橋 玄樹内野手（3年）の二塁打、2番・大桝 凌央内野手（3年）の四球で満塁として、4番・酒井 駿輔外野手（3年）の二塁打で2人が還る。さらに5番・新井 瑛喜内野手（3年）の右犠飛で1点を追加し、この回3点を入れた。

3点のリードをもらった2年生の宮本だが、4回に突然制球を乱し一、二塁となり、8番・岡井 嶺内野手（2年）の右前安打で桐朋が1点を返す。ここで東海大菅生は、投手を宮本から島袋 俐輝投手（3年）に代える。島袋は落ち着いた投球で後続を打ち取り、試合を落ち着かせる。「（宮本が）崩れたらいく、ということで準備はしていました」と島袋は語る。変化球投手のイメージがあった島袋だが、球速が140キロを超え、直球にも威力が出てきた。しかも50メートルを5.9秒で走る足もあり、打球処理も素早く安定感があり、相手に付け入るスキを与えない。

4回、東海大菅生は、敵失と1番・高橋の2打席連続となる二塁打で1点を追加する。6回にも2番・大舛の二塁打などで東海大菅生は2点を追加する。この回で桐朋は投手を森井から鬼塚 心優投手（2年）に交代した。この試合での投球について森井は、「通用する部分もありましたが、制球が定まらず、甘い球は持っていかれました」と語った。

森井と入れ替わるように、7回から東海大菅生は注目のエース・日當 直喜投手（3年）が登板した。日當は3回を無失点に抑え、試合を締めくくった。そうした中で見ごたえがあったのが、投手から三塁手に回った森井との対戦だ。打者としての評価も高い森井は、粘った末に日當の落ちる球を右前安打にした。力勝負の中でタイミングを外す変化球にしっかり対応する森井の野球センスが光った。

8回、東海大菅生は、敵失などに乗じて1点を追加。さらに1死満塁のチャンスが続き、あと1本が出ればコールドという場面になったが、桐朋がしっかり抑え、9回を戦って7対1で東海大菅生が勝利した。試合を終えて宮原監督は、「これから一戦一戦、戦っていくだけです」と語った。順当に勝ち進めば準々決勝に想定される日大三戦が最大のヤマ場となりそうだが、全国的に波乱が起きているだけに、目の前の試合をしっかり戦うしかない。

一方、桐朋の森井は「自分の立ち位置がわかりました。課題も見つかり、しっかり作り直していきたい」と語った。森井は優勝候補相手に存在感を示すことができた。この経験をどう生かすかが重要だ。