試合レポート

明大中野vs大森学園

2023.07.20


荒れた前半も、明大中野・中村の気迫の投球で勝利を呼び込む

<第105回全国高校野球選手権東東京大会:明大中野10ー6大森学園>◇19日◇4回戦◇神宮

 シード校・大森学園の打撃と明大中野の好投手・中村 海斗投手(3年)の対決が注目された一戦は、序盤、やや荒れた展開になった。

 明大中野は2回、4番・高橋 駿太外野手(2年)と9番・茂木 大地内野手(3年)の二塁打など安打4本を集め、3点を先制。明大中野中村 海斗の力を考えれば、明大中野がかなり優位になったと思われた。

 ところがその裏、大森学園は、2つの内野安打で無死一、二塁とすると、明大中野の中村は足が吊り始めていた。異変を感じながら投げる中村に対し、大森学園は7番・大竹 葵内野手(3年)の中前安打にバッテリーエラーが続き、大森学園は2点を返す。さらに2つの四死球や3番で先発投手でもある籾山 寛大外野手(3年)の左前安打でこの回4点目を挙げ、逆転する。

 それでも明大中野の中村は、「気持ちを切り替え、執念で抑えようと思いました」と語る。奮闘する中村を打線も助ける。3回、明大中野は4番・高橋、5番・片桐 心内野手(3年)の連続二塁打などでまたも3点を入れて逆転する。

 明大中野の中村は辛抱の投球を続ける。本調子でないなりにも気持ちで投げ、得点を与えない。明大中野は6回には3点、7回には1点を追加した。中村は6回まで投げて交代したが、6回を投げた投球数が108とかなり多い。

 大森学園はは6回に中村から代わった佐伯 魁栄投手(2年)の乱調から2点を返したが、すぐに小林 空雅投手(3年)につなぐ必勝の投手リレー。結局、明大中野が逃げ切り、シード校の大森学園を破り5回戦進出を決めた。「急に足が吊ったり、緊張したりもしました」と中村は言う。それでも気迫で投げてチームの勝利を呼び込んだのは、収穫だった。あと1つ勝てば、秋、春と負けている関東一と対戦する可能性が出てくる。その前に、5回戦で東亜学園が立ちはだかる。バッテリーエラーも多く、反省すべき点はあるにしても、明大中野は中村を中心にまとまり、勢いがでてきた。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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