2023年シーズン中盤!新人王争いの展望
山下舜平大
セ・リーグは記録を樹立した村上と巨人の主軸になりつつある秋広
23年セ・リーグの新人王レースでは熾烈な争いが繰り広げられている。
筆頭は、やはり阪神の村上 頌樹投手(智辯学園出身)。開幕時点ではリリーフの起用だったが、2回目の登板から先発に回り、安定感のあるピッチングを見せている。4月は開幕から31回連続イニング無失点記録を樹立。4月の防御率は0.00で、3、4月の月間MVPを獲得した。
持ち味は74回を投げて7与四球というコントロールの良さ。現在は、才木 浩人投手(須磨正風出身)や大竹 耕太郎投手(済々黌出身)と並んで先発陣を引っ張っている。これから夏場に向けて耐えられるかが注目である。
対抗馬は巨人の秋広 優人内野手(二松学舎大附出身)だ。開幕から1軍にいたわけではないが、4月から打撃面でチームを引っ張っている。現在は坂本 勇人内野手(光星学院出身)や丸 佳浩外野手(千葉経大附出身)、中田 翔内野手(大阪桐蔭出身)といった実績がある選手がいる中で、3番を任され、打率も規定打席未到達ながらも3割を記録している。
ややバテ気味なのか、6月に入ってからは本塁打0本。他の選手との兼ね合いで、内外野を守っていることもあり、守備の負担も大きいだろうが、高卒3年目での3割到達や2ケタ本塁打達成にも期待したいところである。
その他、同じく巨人の横川 凱投手(大阪桐蔭出身)も先発ローテーションからリリーフまでフル回転の活躍を見せている。今後の課題は、5、6回以降も投げられることだろう。
中日の福永 裕基内野手(天理出身)は、トレードで移籍した阿部 寿樹内野手(一関一出身)や、開幕前に田中 幹也内野手(東海大菅生出身)がケガで離脱した穴を埋めるように、開幕からチームを支えている。成績やリターンを考えると、プラスになるほどの活躍を見せている。他の選手と比較しても、大きな波がないため、今後、新人王争いを面白くする存在になっていく可能性もある。球団としても、中長期的に見て大きな戦力になることは間違いないだろう。
パ・リーグは連覇を狙うオリックスの山下舜平大が圧倒的
パ・リーグの新人王争いは、昨年日本一のオリックス・山下 舜平大投手(福岡大大濠出身)が圧倒的なピッチングを見せている。オープン戦から活躍を見せ、最速158キロを記録。さらに、平均球速は、150キロ以上を記録した。オープン戦の奪三振率は13・50。空振り率でも、期待できる数値を残した。今季は開幕投手を務め、山本 由伸投手(都城高出身)や宮城 大弥投手(興南出身)がワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の影響で、出遅れた点を見ると、山下への期待は大きかったに違いない。
高卒3年目ながらも防御率は1点台を記録。既に7勝を挙げている。今後もゆとりのあるローテーションで、このパフォーマンスを維持していければ、新人王は間違いなく受賞できるだろう。
今季、3連覇を狙うオリックスは、優勝争い真っ只中だが、この山下の活躍も必要不可欠なのは間違いない。山本がメジャーに移籍する可能性も高いことから、山下には今シーズンだけではなく、来シーズン以降も先発陣を引っ張っていくことが期待される。
山下と同じくオリックス・茶野 篤政外野手(岐阜中京出身)は、新人ながらも開幕から活躍を見せている。昨シーズンまでセンターのレギュラーだった福田 周平外野手(広島広陵出身)が出遅れていた中、中川 圭太内野手(PL学園出身)をセンターで起用し、外野手の開幕スタメンを獲得した。
その後も、トップバッターを任せられるなど、期待以上の活躍を見せ、福田の穴を埋めている。茶野が新人王獲得となれば、パ・リーグでは昨年の西武・水上 由伸投手(帝京三出身)に続き、2年連続2人目の育成出身選手の受賞となる。
(記事:ゴジキ)