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16年ぶり出場の仙台商と38年ぶり出場の仙台一、宮城の公立2校が「台風の目」となるか

2023.06.05

16年ぶり出場の仙台商と38年ぶり出場の仙台一、宮城の公立2校が「台風の目」となるか | 高校野球ドットコム
阿波壮汰、郷家璃久(仙台商)

 6月7日に開幕する春季高校野球東北大会。宮城からは春の県大会4連覇を達成した仙台育英のほかに、準優勝の仙台商、3位の仙台一が出場する。仙台商仙台一はともに公立校で、仙台商は16年ぶり、仙台一は38年ぶりの出場となる。仙台育英に負けじと、宮城のレベルの高さを見せつけることはできるか。

 仙台商は今春、県大会準々決勝でセンバツにも出場した強豪・東北を破った。この試合は0対3の6回、先頭の1番・只野 修登外野手(3年)の二塁打をきっかけに4点を奪い逆転勝ち。仙台一との準決勝でも、先制された直後の4回に3得点するなど、打線の集中力が際立っている。中でも中軸を担う菅野 琉心外野手(3年)、郷家 璃久内野手(2年)、熊坂 勇星外野手(2年)は3割を超える打率を残し、打線を牽引した。

 投手陣の柱は右腕の阿波 壮汰投手(3年)。昨夏から先発のマウンドを踏み、着実に経験値を積み上げている。今春も東北戦で5回1失点と好救援し、仙台一戦では9回2失点で完投するなどエースの役割を果たした。アンダースローの大友 光晴投手(2年)、決勝の仙台育英戦で好投した作田 光哉投手(2年)ら控え投手も豊富で、継投も視野に入れた投手起用となりそうだ。

16年ぶり出場の仙台商と38年ぶり出場の仙台一、宮城の公立2校が「台風の目」となるか | 高校野球ドットコム
三瓶高広、高橋彪(仙台一)

 仙台一は2回戦以降、接戦を勝ち上がり、持ち前の粘り強さで久々の出場権を手にした。勝てば東北大会出場が決まる3位決定戦は延長10、11回のタイブレークを守り抜き、サヨナラ勝ち。この試合で11回完投したエース三瓶 高広投手(3年)は打たせて取る投球が光るエース右腕で、5月中旬の「仙台一高・二高野球定期戦」でノーヒットノーランをやってのけた勢いそのままに、県大会でも存在感を示した。千葉 綾太投手、安藤 舜投手の2年生コンビが控えているのもチームの強みだ。

 野手陣はスタメンの多くを2年生が占めており、県大会でいずれもチームトップの打率.429、1本塁打、7打点をマークした高橋 彪外野手(2年)、正捕手としても活躍した小川 郁夢捕手(2年)らが打線の軸を担う。また機動力を駆使した攻撃をすることもでき、3位決定戦の4回には重盗を仕掛けてホームスチールで得点する場面もあった。

 仙台商は一昨年夏の県大会で仙台育英に勝利するなど強豪校を脅かす底力を持ち、仙台一は一塁の守備位置から大きな声を出す富岡 勇仁内野手(3年)を中心とした明るい雰囲気も魅力の一つ。激戦の宮城県大会を勝ち抜いた公立2校が今大会の“台風の目”となるか、注目だ。

(文=川浪 廉太郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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